新潟県新発田市の県立新発田南高校で土木を学ぶ2年生11人が1月中旬から、防災ステッカーに記す標高を測量する実習を市中心部でしている。県建設業協会が展開している「海抜・標高避難ステッカー」事業の一環で、生徒が測った標高が記された防災ステッカー20枚が、東日本大震災から1年となる3月11日までに街頭に貼られる予定だ。
1月30日。時折、雪が舞う同校前の国道460号沿いで、生徒たちが測量をしていた。「標尺」と呼ばれるものさしを垂直に立て、30〜50メートル離れた場所から測量機器の望遠鏡をのぞいた生徒が、標尺の目盛りをミリ単位まで読み上げる。
この作業を繰り返し、校内にある基準点からの高さの差をもとに標高を算出。「ここは標高○○.〇メートル」と大きく記されたステッカーが作られる。
生徒たちにとって校外での測量実習は今回が初めて。2年生の荒木遼太さん(17)は「最初は恥ずかしかったけど、慣れてきた。地域の人々に役立つことができたら良いと思う」と話した。
土地の高さを表示して津波の際の避難を呼びかけるステッカーを貼る事業は、同市の建設会社・小池組の小池金一社長(55)が提案した。昨年9月、同市立藤塚小学校の児童が海岸部の地域に貼ったのを皮切りに、県建設業協会が県内の沿岸部全域で進めている。
小池社長は新発田南高校OB(当時は新発田商工高校)。協会側からの呼びかけを受けた同校の伊藤龍太郎教諭(35)と小池社長が話し合い、協会の新発田支部がステッカーを提供し、高校生が市中心部での測量と掲示の作業を担うことになった。
生徒の発案で、ステッカーには英語表記と、携帯電話で市の防災情報にアクセスするためのQRコードも盛り込まれた。掲示場所となる商店や住宅の持ち主に、貼らせてほしいと協力を求める仕事もこなす。伊藤教諭は「地元の人々と接することは良い経験になると思う」と語る。
小池社長は「新発田市の中心部は沿岸部と違い、津波に遭うことはないだろうが、豪雨で冠水するおそれはある。防災に対する意識を高めるうえでもステッカーの効果は大きい」と話す。協会側が提供するステッカーは100枚。同校は新年度以降も測量実習を続け、掲示場所を商店街などに広げていくことにしている。(戸松康雄)
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