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約10万5000人の高校3年生を対象にした学力テストと、学習意欲などについて聞いたアンケートの結果を文部科学省が公表した。データからは勉強嫌い・離れの傾向と、理数系教科の弱さがくっきりと浮かんだ。
●アンケート 「好き」と好成績、関連
〈学校の授業以外に、1日にどれくらい勉強しますか〉。この質問に「全く、または、ほとんどしない」と答えた生徒は41.0%。〈勉強が好きだ〉に対して、「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」という否定的な反応が、73.5%。
学習意欲などを聞いたアンケートの、こうしたデータが、高校生の勉強離れ・嫌いを象徴している。文科省も「深刻だ」と認める数字だ。
しかし、〈勉強は大切だ〉という項目では、肯定的回答は79%にも達する。勉強は大切だと思っているのに、勉強が嫌いになるのは、なぜなのか。その一端を示すデータがある。
学習意欲に直結する理解度をみる〈授業がどの程度分かりますか〉の問いには、「よく分かる」「だいたい分かる」の肯定的回答は39.5%と過半数に届かなかった。教科別でみた場合、52.0%の国語を除き、全教科で4割を下回った。
こうしたデータとテスト結果との間には、高い相関関係がみられる。
数学を受験した生徒の場合、「勉強が好きだ」とした生徒の統計処理後の平均得点が557点だったのに対し、「嫌いだ」とした層では470点で、90点近い開きが出た。「学校が好きかどうか」でみても、「好き」の517点が、「嫌い」の473点を上回っている。
最も理解度が低かった化学では、「化学の勉強は大切」だと感じている層と、「大切ではない」とする層の間に137点の開きが出ている。
そのほか、〈勉強すれば、私の入試や就職試験に役立つ〉といった将来のことを尋ねる項目に肯定的な反応を示した生徒たちや、「学校に行く前に必ず朝食をとる」とした生徒たちは、いずれの教科でも平均点が高くなっている。
文科省は01年度、小中学校生約45万人を対象とした同内容のアンケートをしている。今回のアンケートの結果と主要な点を比べてみる。〈学校以外で勉強しない〉とした小学6年は10.8%、中学3年は8.5%で、高校3年の41.0%より、かなり低い。
「勉強嫌い」は高校3年(73.5%)と、中学3年(74.5%)との間で大きな違いはみられなかった。ただ、小学6年(56.7%)からは大幅に増加している。
小中学生と高校生との差について、お茶の水女子大の耳塚寛明教授は「大学受験にこれまで以上に力を入れる進学校がある一方で、脱学力のカリキュラムの高校があるなど、今の高校は分化が激しくなっている」と指摘する。さらに、少子化の流れの中で、一部の有力校を除いて大学入学が容易になったことなどをあげ「勉強への動機付けが弱くなっていることが背景にあるのではないか」とみている。
学習意欲を引き出すためには、どうすべきか。上越教育大の渋谷憲一名誉教授は「生徒たちに『やる気』を求めるより、簡単な勉強や、生活上の小さなことなど、やれば出来ることを実感できるような『やれる気』を持たせることが大事だ」と話している。
◇キーワード
<文科省の学力テスト> 正式名は「教育課程実施状況調査」で、実施主体は国立教育政策研究所。学習指導要領の内容をどれだけ身につけているかを調べるために行われる。無作為に選んだ国公私立の高校約1400校の約10万5000人(全3年生の8%)が対象。今回の4教科7科目は02年11月に実施。昨年11月に地理歴史、公民の計9科目の試験をした。高校では今年度から新しい指導要領が導入されたが、今回のテストは旧指導要領に基づく。学習意欲のアンケートは、共通質問として29項目。さらに教科ごとにも聞いた。
(朝日新聞東京本社発行 1月24日付朝刊)
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