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200億円支払い命令 青色ダイオード訴訟、東京地裁判決

記者会見で笑顔を見せる中村修二教授=30日午後、東京・霞が関で
記者会見で笑顔を見せる中村修二教授=30日午後、東京・霞が関で

 世紀の発明といわれる「青色発光ダイオード(LED)」の特許権を譲り受けた会社が、発明者に支払うべき正当な対価をめぐって争われた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。三村量一裁判長はまず、発明の対価を604億円と算定。そのうえで、発明者の中村修二・米カリフォルニア大学教授(49)が発明対価の一部として勤務していた会社に請求していた200億円を全額認めて同社に支払いを命じた。

 支払いを命じられたのは日亜化学工業(本社・徳島県阿南市)。日亜側は控訴した。一方、中村教授側は判決が認めた対価総額604億円の残り400億円余について今後追加請求する意向を明らかにした。

 判決によると、中村教授は高輝度の青色LEDの製法を発明し、90年10月に日亜が特許出願した。特許の有効期間は2010年までの20年間。

 東京地裁は02年9月、この特許権が会社に帰属するという中間判決を出しており、会社が発明者に支払う対価の額に絞って審理が続いていた。

 この日の判決は、青色LED市場は日亜を含めた3社の寡占状態にあり、中でも日亜が売り上げを伸ばしているのは、この特許を競業する他社に使用させず独占しているためだと認定。さらに、高輝度青色LEDの製造に決定的な役割を果たしたのは中村氏の発明だと指摘した。

 特許法は35条で、従業員が職務上の発明の特許権を会社に譲り渡した場合、相当の対価を受け取ることができると定めており、判決は、対価を算定する際には「特許独占による利益」と「開発に際しての会社と発明者の貢献度」を考慮すべきだと述べた。

 そのうえで、青色LEDによる同社の売上高を予想し、生産が本格化した94年から特許期間満了の2010年までの売上高を1兆2086億円と算定。仮に、特許の使用を他社に許した場合、少なくとも他社はこの半分の売り上げが可能で、日亜はその見返りに20%の特許実施料が得られるとして、同社の独占利益を1208億円とはじき出した。

 続いて、会社と発明者の貢献度を検討。会社の役割は、開発装置費3億円や米国留学費などの負担にすぎないとする一方で、中村教授については「小企業の貧弱な研究環境の下で、個人的能力と独創的な発想により世界中の研究機関に先んじて世界的発明を成し遂げた稀有(けう)な事例だ」と述べて貢献度を50%と認定。独占利益の半額にあたる604億円を発明対価として導き出した。

 ただ、三村裁判長は判決後、「将来の売り上げが大きい特殊事例。高額な対価がただちに一般化するには議論があろう」と付言した。

 ○特許権を過大評価

 日亜化学工業の話 青色LEDは数多くの特許権やノウハウからなり、製品はさらに多くの付加価値がついていることは自明なのに、判決はそれを見落とし、訴訟対象の唯一の特許権を過大評価して、他の多数の研究開発者と企業の貢献を正当に評価しない不当な判決だ。巨額のリスクを負担した企業に破天荒ともいえる成功報酬を請求することは、安定収入とリスク報酬の二重取りを求めるもので理論上許されず、もし認められれば日本企業の研究開発活動は成り立たない。

    *

 中村修二氏(なかむら・しゅうじ) 1954年、愛媛県瀬戸町生まれ。77年、徳島大工学部電子工学科卒。79年、同大学院修士課程を修了、日亜化学工業に入社。93年、青色発光ダイオードの開発・商品化に成功。95年、青色レーザーダイオードを開発。99年、同社を退社。00年から米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授。01年朝日賞、02年米ベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞。49歳。

 ◆キーワード

 <青色発光ダイオード(青色LED)> 青い光を出す半導体素子。20世紀中の開発は無理と言われたが、93年に日亜化学工業社員だった中村修二教授が、新しい装置を独自に考案し、窒化ガリウムを使って開発・商品化に成功した。

 明るくて消費電力が少ない。これで赤、緑、青という光の三原色を出す半導体素子がそろった。大画面ディスプレーや信号機、携帯電話の画面の光源など用途は幅広い。

(朝日新聞東京本社発行 1月31日付朝刊)


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