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やり直したい気持ち 次のマラソン、秋には 高橋尚子インタビュー

心境を語る高橋尚子選手=東京・築地で
心境を語る高橋尚子選手=東京・築地で

テコンドーの岡本依子選手
テコンドーの岡本依子選手

卓球の福原愛選手
卓球の福原愛選手

 アテネ五輪女子マラソン日本代表入りを逃した00年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子(31)=スカイネットアジア航空=が2日、朝日新聞社とのインタビューで心境をうち明けた。代表選考会だった昨年11月の東京国際女子マラソンで2位に終わり、最終選考レースとなる今年3月の名古屋国際女子に挑まなかった判断について「ちょっとだめだったかな。東京の結果に悔いはないが、その後からはやり直したい気持ちもある」と話した。3月15日の代表落選を受けた記者会見では名古屋回避を「自分で決断したので後悔はない」と説明していたが、実際には揺れていた胸の内を語った。

 アテネ五輪への思いは強かったです。金メダルをとった00年シドニーでは、五輪は単なるあこがれみたいな存在だけでした。でも4年に1度、世界で一番強い選手が集まる祭典で2連覇することの意味は大きい。60年ローマと64年東京で勝った男子のアベベ・ビキラさん(エチオピア)は、どの国に行っても、どの時代でも名前が語り継がれている選手です。2連覇は1回勝った人しかできないことですし、自分もアベベさんのように多くの人たちに私の名前を残せるチャンスがあったんだなあと思います。

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 3月15日の代表発表で落選を知った直後は、落ち着いて事実を受け入れたつもりでした。でも、昨年11月の東京国際女子マラソンで2位に終わって、最終選考会だった今年3月の名古屋国際女子を走らなかった判断についてはちょっとだめだったかなと思う。東京のレースについては全力で走った結果だし、その東京を目指す日々についても今振り返っても何の後悔もないんですよね。ああしておけばよかったと思うのは、名古屋に出るのか出ないか、どうしようか、という部分。やり直したいのは東京の前じゃなくて、東京の後からやり直したい。もし時間を巻き戻すことができるのなら。

 落選を聞いてから、記者会見の直前に監督(小出義雄・佐倉アスリート倶楽部代表)に初めて会って顔を見た時に涙があふれそうになりました。監督を五輪へ連れていってあげることができなかったことに改めて気づいて、すごい衝撃を受けた。

 アテネが終わったら、現役に区切りをつけるつもりでした。アテネを走ったら、ようやく卒業かな、旅立てるのかなと思っていた。でもアテネに行けなくなって、このままでは監督と離れられない、もう一度恩返しをしたいという気持ちがふわーと沸いてきた。

 会見ではジャージーを着るかスーツを着るか、すごく迷ったんです。直前までジャージーだったのですが、「やっぱり」と思い直してぱっぱっとスーツに着替えた。ジャージーは私にとって闘う服みたいなものであるのは変わらないのですが、あの時は陸上というだけじゃなく、一人の人間として次へのステップを切るスタートの会見、いわば入社式に臨むような心境だったんです。だから凛(りん)としていたかったし、明るい会見にしたかった。今でも振り返って、あれが新たな第一歩を踏み出す時だったんだなとすごく感じるし、スーツでよかった。

 99年の世界選手権(スペイン・セビリア)で現地まで行きながら故障で走れなかった時は、どうしたらいいのか暗闇の中でしばらく道が分からないような状態でしたが、今回は違います。セビリアや一昨年の東京国際女子に肋骨(ろっこつ)の疲労骨折で出られなかった挫折を経験したので、その分、暗闇にいる時間が短くて次に進むことができるかもしれません。

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 代表発表の後、時間があったので3、4日の休みをいただいて家族と旅行に行って、もう今はリラックスして落ち着いてきました。監督ともじっくりと話す時間を持って、逆に次は何をしようかなと詰めています。考えれば考えるほど、あれもやりたい、これもやりたいと見つかった。

 私がマラソンを走り続けるのは、自分自身が走るのが大好きということと、その楽しさを大勢の方に伝えたいという気持ちもあります。一般の方のマラソンに対するイメージは、寒い中を走ってゴールしたら苦しそうに倒れるのを見て、大変だな、いやだな、というものだったと思います。でも本当は、シューズだけあればいろんな景色を見られて、季節を感じられて、家族で楽しむことができる。私が走ることで「ああ、風に乗って楽しそうだから、自分たちも外に出てやってみよう」と思ってほしい。

 シドニーの後にCMスポンサーなどと契約してプロの選手になったのもマラソンのことを伝えたいから。実は最初はプロになる気はなかったんです。仕事が増えてチームのみんなが練習している時に違うことをするくらいなら、プロにならなくていいと思った。でも監督に「マラソンで五輪で勝っても、その人に何もなかったら子どもたちはどう思うだろう」と言われて考え直した。サッカーも中田英寿選手のような存在があるから、子どもたちも夢を抱く。せっかく金メダルを取ったことを無駄にしちゃいけない、ここで私が道をつくらないと、と思った。

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 次のマラソンは早い時期というか、今年の秋には出たいです。ベルリン(9月26日)かシカゴ(10月10日)か。来年の世界選手権(ヘルシンキ)を狙うなら代表選考会の東京国際女子(11月21日)もある。走る意欲は満々です。

 記録も自己ベストの2時間19分46秒の日本記録を更新したい。これは01年ベルリンで出したんですが、2時間20分を切ることを想定して最初は抑えながら走った部分もある。2時間17分は手が届くと思うので、自分の限界を見たいという気持ちがある。

 こういう話をしていると、楽しくなってきちゃう。五輪が終わったら区切りと思っていたのに、陸上人生が長引きそうですね。

 ■高橋のマラソン全成績

  年  月 時間分  秒     大会

 97. 1 2.31.32(7) 大阪

 98. 3 2.25.48(1) 名古屋

    12 2.21.47(1) アジア大会

 00. 3 2.22.19(1) 名古屋

     9 2.23.14(1) 五輪

 01. 9 2.19.46(1)※ベルリン

 02. 9 2.21.49(1) ベルリン

 03.11 2.27.21(2) 東京

 ※は日本新、当時世界新。カッコ内数字は順位

(朝日新聞東京本社発行 4月3日付朝刊)


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