ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  教育 > NIE > この記事を手がかりに記事

NIE「この記事を手がかりに」

記事と写真記事と写真学習のポイント 学習のポイント ワークシート ワークシート(PDF) バックナンバーバックナンバー

とれんどサーチ「グリーンツーリズム」規制緩和が農家民宿を後押し

2006年06月09日

写真

長野県飯田市を訪れた都会の子供たちが、農家のおじさんからわら細工の作り方を学ぶ

 農山漁村の自然や人々との交流をゆったり楽しむ「グリーンツーリズム」。バブル経済崩壊後に始まった新しい余暇の過ごし方だ。自治体にすれば、名所旧跡や温泉といった観光資源が乏しくても人を呼び込むことができる、地域振興の切り札だ。そこで、規制緩和を通じて宿泊施設を増やす取り組みが各地で続いている。

 大分県宇佐市安心院町がグリーンツーリズムに取り組み始めたのは96年。当時はまだ、宿泊業者として正式に認可を得るためには多くの規制があった。

 そこでひねり出したアイデアは「会員制民泊」。簡単な手続きで加盟した「会員」だけを受け入れることで、不特定多数を扱う宿泊業者とは一線を画す。

 それでも、正式な民宿の認可を得ていないため食事代や宿泊料収入は得られない。体験料金が受け取れるだけだった。

 大分県は調理場の設置規制を緩和。客用の調理場は家族用とは別に設置しなければならないというルールを農家民宿には適用しないよう改めた。民宿認可のハードルを下げたわけだ。

 その結果、今では安心院地区だけで26農家が民宿を営業。96年に約200人だった年間旅行客数も約1万人にまで増やすことができた。規制緩和の後押しは大きかった。

 大分県の成功に国も反応。03年には、客室面積は33平方メートル以上の広さが必要という規制を撤廃。04年には、誘導灯の設置義務を緩和した。

 農水省によると、農家民宿の開業は年々増えており、03年度の115軒が05年度には271軒となった。現在は約3700軒、グリーンツーリズムを楽しむ宿泊客は年間約250万人に達している。

 規制緩和の活用は、民宿の開業だけにとどまらない。米どころの新潟県では、自ら生産したコメでの濁り酒製造を認めた「どぶろく特区」を活用する農家民宿が目立っている。

 もちろん、自治体独自の努力や工夫もグリーンツーリズムを支えている。長野県飯田市の農家は都会の学校からの修学旅行の受け入れに力を入れる。約500戸の農家での農作業体験を売り物にし、わら細工作りや稲刈りなど100以上の体験プログラムを用意している。

 兵庫県多可町(旧八千代町)は阪神圏に近い地の利に目を付け、滞在型の市民農園や農林業の体験ツアーを実施。年間31万人の集客に結びつけた。

 地域の特性を生かした取り組みは今後も続きそうだ。

 (佐藤泰)

(2006年6月4日 週末日曜緑のbe 5面)


記事と写真記事と写真学習のポイント 学習のポイント ワークシート ワークシート(PDF) バックナンバーバックナンバー

新聞、ニュースを調べ学習や自由研究に役立てるページです。

ご感想・ご質問

NIEについての問い合わせなどは、NIE事務局
(nie-asahi@asahi.com)まで

朝日新聞サービス

ここから広告です
広告終わり
∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.