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「命名権売買」身近に 中小企業も次々 福岡のゴルフ場や神戸市営バス停

2006年11月02日

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入り口に新しい看板が掲げられた渋谷C.C.Lemonホール(旧・渋谷公会堂)=東京都渋谷区で

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命名権の主な導入例

 東京都渋谷区が運営する渋谷公会堂が今月、炭酸飲料にちなんだ「渋谷C.C.Lemonホール」に名前を変えた。区が命名権を売ったためだ。大規模施設の名前を大企業が買うという形で始まった命名権ビジネスは、ゴルフ場のコース名やバス停などさまざまな分野に広がっている。(三島あずさ)

 東京五輪(64年)の重量挙げ会場として建てられ、コンサートや公開番組収録の会場として全国的な知名度を誇る渋谷公会堂。区によると、多少の赤字が出る程度で、運営が財政の足かせとなるほどではない。しかし、今後の税収減の可能性も見据え、命名権の導入を決めた。権利を取得した電通を介してサントリーが5年で契約、区には年間8000万円が入る。

 ●企業名30施設

 03年に東京都調布市の東京スタジアムが「味の素スタジアム」となったのを皮切りに、命名権ビジネスは横浜の「日産スタジアム」や「福岡Yahoo!JAPANドーム」など競技場や球場を中心に広まった。

 人材派遣会社フルキャストは昨年、3年契約総額6億円で県営宮城球場を「フルキャストスタジアム宮城」に変えた。試算では宣伝効果は年4億円を超え、人材派遣の登録者も着実に増えているという。同社広報室の石本浩子さんは「地域密着を打ち出す楽天球団の特色が、そのまま企業イメージの育成にも一役買っている」と話す。

 命名権事業部を持つ経営コンサルタント会社ベイキューブシーによると、企業名を冠した施設は現在、全国30ほどになるという。

 福岡サンレイクゴルフ倶楽部(福岡県高田町)もその一つ。昨年10月、ゴルフ場としては全国で初めて、コースの命名権を3年間8000万円で自然食メーカー「ベストアメニティ」(同県久留米市)に売った。「外資に買収される例が相次ぎ業界は厳しい状況。ゴルファーからの収入以外にも活路を見いだそうと考えた」という。名称変更と同時に、クラブハウスのレストランを自然食レストランに改装。食事だけをしに月350人ほどが来るようになった。

 兵庫県内でスーパーを展開するマルアイは4月の新店舗開設に合わせ、神戸市須磨区にあるバス停を「鷹取町(マルアイ前)」とした。1カ月3万円で3年契約。神戸市が今春、市営バスの経費節減策として導入したバス停命名権の第1号だ。

 マルアイは自腹を切ってバス停の標識やテント式の屋根も一新。掃除もしており、市交通局は「契約料以上の効果がある」と喜ぶ。とは言え、問い合わせはほかにもあるものの、第2号はまだ実現していない。

 ●脱「年配向け」

 「ココロのコリをほぐす映画館。」

 こんなキャッチコピーを掲げるのは東京・有楽町の「サロンパスルーブル丸の内」(丸の内ルーブル)だ。昨年12月、久光製薬が3年契約で命名権を取得した。観客が映画鑑賞に求める「リラックス」と、コリを癒やす商品の効用を重ね合わせるとともに、「年配者向け」という商品イメージを変えたかったという。

 試写会などのイベントでは薬剤師を派遣し、サンプルを配布。その結果、「映画館でもらった商品はどこで買えるのか」といった問い合わせも増えているという。

 電通エンタテインメント事業局は「(契約成立は)頭打ちになる時期が来る。ただ、例えば特定スポーツの複数の練習場の命名権を取得するなど、着眼点次第では新たな宣伝効果を生む余地はまだある」とみる。

(10月25日夕刊1総合面)


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