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H2A14号機打ち上げ ネット衛星「きずな」搭載

2008年03月03日

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は23日午後5時55分、超高速インターネット衛星「きずな」を載せたH2Aロケット14号機を鹿児島県種子島の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げ、衛星を予定の軌道へ投入することに成功した。強風や警戒海域に船舶が入ったことで打ち上げは予定より1時間35分遅れた。

 H2Aの成功は8回連続。製造・打ち上げを宇宙機構から移管された三菱重工業にとっては月探査機「かぐや」を載せた13号機に続いて2回目。

 宇宙機構などによると、きずなは高度約250〜3万6000キロで地球を回る軌道に投入され、正常に動作しているという。今後、エンジン噴射を繰り返しながら赤道上空約3万6000キロの静止軌道に移る。

 ◇費用対効果、十分検証を

 《解説》日本の基幹ロケットH2Aは今回の14号機で、8機連続の打ち上げ成功となった。成功率は約93%まで上がり、13号機から打ち上げを民間移管された三菱重工業は今後、本格的に打ち上げビジネスに乗り出す。

 三菱重工業は、現在は100億円程度の打ち上げ費用を「欧米なみ(70億〜80億円)にしたい」と意気込む。ただ、ライバルの欧米や中国などの主力ロケットは100機以上の打ち上げ実績があり、成功率も9割以上。H2Aの国際競争力を上げるには、さらに実績を積まなくてはならない。

 経済性向上のためにも年3機の打ち上げが必要だが、今年度の打ち上げは2機。政府の計画では新年度も温室効果ガス観測技術衛星の1機、09年度も準天頂衛星と情報収集衛星の2機だけだ。

 衛星開発には数年かかるため、すぐには需要を増やせない。宇宙航空研究開発機構が発足した03年の6号機の打ち上げ失敗で、衛星開発になかなか着手できなかったツケが回ってきている。

 今回打ち上げられた超高速インターネット衛星「きずな」は、災害時や通信が不便な地域への貢献が期待されている。ただ約96%の世帯で高速通信が使えるようになったいま、「きずな」の意義は薄らいでしまった。

 実用衛星は、費用対効果を十分に検証しながら計画を進めるべきだ。開発の意思決定や計画途中でのチェックのあり方も問われている。

(2月24日付け朝刊37ページ 3社会)

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