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子どもの時に甲状腺の摘出手術を受け、医師を目指す学生たち=ベラルーシのゴメリ医科大学で、菊地洋行撮影 |
1.チェルノブイリ原発事故から20年を考える
あなたの家から30kmの範囲を考えてみてください。大阪だと神戸周辺までの距離、かなり広大な土地ですね。地図帳で確認してみましょう。ひらいた地図で記事に出てくる「ベラルーシ」を探しましょう。
30キロメートルにわたって人が住めない土地がこの地球上に存在します。1986年4月26日1時23分から不毛の地になりました。旧ソ連(現ウクライナ共和国)チェルノブイリ原子力発電所の爆発事故で、放射能が大量に放出されました。原発周辺30キロメートル圏内は立ち入り禁止区域となっています。
放射線の被曝で50人近くが死亡した悲惨な事故から20年。「チェルノブイリ 汚染大地20年」というシリーズ記事から考えていきましょう。
2.(1)なぜ事故は起こったのか?
『新・原子炉お節介学入門』(一宮事務所;エネルギーフォーラム)で筆者の柴田俊一氏は「起こらない」と「起こる」の間の「起こさない」が大切だと述べておられます。どうして起こったのかを知ることが大切ですね。
チェルノブイリ原発4号炉では、ある実験が行われていました。これが終わって原子炉を停止させようと緊急用制御棒の「一斉挿入ボタン」が押された直後、暴走が始まりました。
『「核」論 鉄腕アトムと原発事故のあいだ』(武田徹 中公文庫)にはなぜ事故が起こったかについての詳しい記述があります。少し難しいですが、興味がある人は読んでみましょう。
原子力百科事典「ATOMICA」(原子力図書館のホームページ)などを参考にしましょう。
(2)世界中に「死の灰」が飛散
チェルノブイリ原発事故は、事故から2日後の4月28日に放射能がむき出しになった炉心から飛散し、スウェーデンに降り注ぎ、放射能が計測され異常値がでたことで、初めて世界に公表されました。
旧ソ連は情報を公開しませんでした。そのことも影響して4月30日の朝日新聞朝刊の見出しは「最悪のソ連原発事故、炉心が溶融 2000人超す死者?」「ソ連、西側に鎮火方法の助言を要請」とあります。データベースや図書館で原発事故に関する情報を読んでみましょう。
原子力の報道については『原子力と報道』(中村政雄 中公新書ラクレ)などの本があります。
(3)汚染された大地
世界保健機関は(WHO)は13日に、事故に起因するガンによる死者は最大9000人に達すると報告しました。広大な土地は永久放棄されています。被災者の今なお消えぬ苦しみ、生活や健康にも影を落としています。被災者の思いを読みとりましょう。
「チェルノブイリ汚染大地20年」というシリーズの記事を読み、この惨事を受けとめ、私たちに何ができるかを考え、出来ることから行動にうつしましょう。
(4)現在、過去、そして未来
原子力に関する情報をできるだけ多く収集し、比較して読みましょう。同じ事象でも視点の違いで全く違うものに見えることがあります。木を見て森を見ずということにならないように俯瞰し、多角的に見て、じっくり考えていきましょう。
発展学習として
日本と世界の原子炉について調べてみましょう。チェルノブイリ原発事故後に原発を止めた国、増やすのをやめた国、その後も増やした国があります。米国やフランスなど各国の原発の数を比べながら、理由を考えてみましょう。日本の原子力による発電は、全体の何パーセントを占めるでしょう。各国と比べてどうでしょう。チェルノブイリ以外の過去の原発事故も調べてみましょう。
(大阪市立天王寺中学校・植田 恭子)