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(ニュースがわからん!)尾瀬国立公園、なぜ独立するの? 再編のシンボルに2007年09月03日 1.「尾瀬国立公園」誕生 ♪♪夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空♪♪ この歌は中学校で学びますが、小学生のみなさんも聞いたことがある曲でしょう。昭和24年(1949年)、NHKラジオから流れた江間章子作詞、中田喜直作曲のこの「夏の思い出」は、多くの人たちの心をとらえ尾瀬への想いを強くさせたと言われています。 1960年代に入り、尾瀬を訪れるハイカーたちによってアヤメ平湿原は踏み荒らされ、黒褐色の泥炭(でいたん)層が表面にあらわれ裸地(らち)化してしまいました。その後、元通りにしようと移植したりタネをまいたりと、植生の復元作業が行われてきました。 「天上の楽園」とさえ呼ばれたアヤメ平はどうなっているのか、先日(2007.8.27−28)10年ぶりに訪ねてみました。関係者の努力で湿原の復元が進んではいましたが、未だに負の遺産があちらこちらに顔をのぞかせていました。40年余りにも及ぶ取り組みにもかかわらず、一度損ねてしまった自然の復元が容易ではないことがわかります。 「日本の自然保護運動の発祥地」が、「尾瀬国立公園」として新たなスタートをすることを機会に、尾瀬の過去・現在・未来について学習してみましょう。 (参考)図書 『尾瀬をまもる人々』後藤允(大日本図書) 『尾瀬−山小屋三代の記』後藤允(岩波新書) 『尾瀬を守る 自然保護運動25年の歩み』尾瀬の自然を守る会(上毛文庫) 『尾瀬自然観察ガイド』財団法人尾瀬保護財団(山と渓谷社) 『尾瀬をあるく 花と自然の別天地 魅力の26コース』JTBパブリッシング (参考)パンフレット類 『尾瀬入山にあたって』東京電力 『野外セルフガイド』尾瀬保護財団 『尾瀬の小宇宙』NATIONAL GEOGRAPHIC日本版 SPECIAL SUPPLEMENT(東京電力) (参考)ホームページ 「すいすい尾瀬なび」尾瀬保護財団 http://ozenavi.blog85.fc2.com/blog-category-32.html 「尾瀬データブック」財団法人尾瀬保護財団 http://www.oze-fnd.or.jp/ 「尾瀬と東京電力 貴重な自然を守るために」東京電力 http://www.tepco.co.jp/eco/area/oze/index-j.html 2.学習のポイント (1)尾瀬ヶ原や尾瀬沼の場所、主な入山口を地図で確認してみましょう。 尾瀬国立公園は、これまでの3県に栃木県が加わって、4県にまたがることになりました。どのあたりになるのか、学校で使っている地図帳を用意して確認してみましょう。通常、「尾瀬」と呼ばれているところは、「尾瀬ヶ原」と「尾瀬沼」、そして至仏(しぶつ)山や燧ヶ岳(ひうちがたけ)などの周囲の山々からなっています。 「尾瀬ヶ原」への主な入山口は、群馬県片品(かたしな)村の鳩待(はとまち)峠、「尾瀬沼」へは片品(かたしな)村の三平峠や福島県檜枝岐(ひのえまた)村の沼山(ぬまやま)峠です。これらの峠を確認するためには、5万分の1か2万5000分の1の大縮尺の地図が必要になります。 (2)尾瀬ヶ原や尾瀬沼の成り立ちについて調べてみましょう。 尾瀬ヶ原や尾瀬沼も燧ヶ岳(ひうちがたけ)の噴火がきっかけとなってできた地形と考えられています。湿原は、低層から中層、そして高層湿原へと発達していくことがわかっていますが、どのように発達していくのでしょう。湿原を彩るミズバショウやニッコウキスゲは特に有名ですが、高層湿原の植物ではありません。尾瀬を特徴づける高層湿原に特有の植物について調べてみましょう。 なお、至仏山は海底が隆起した山で、蛇紋岩(じゃもんがん)という特殊な岩石からできていることから、氷河時代の残存植物が見られます。ここでしか見ることができない高山植物を調べてみましょう。 (3)尾瀬は「日本の自然保護運動の発祥地」として知られていますが、過去にどのようなことがあったのか、その歴史を振り返ってみましょう。 尾瀬は明治時代から水力発電のための「ダム建設」に関係して、何度か水没の危機に遭遇しました。また、大清水から三平峠に至る「自動車道建設」に対しても、尾瀬の自然を保護すべきであるとの声に守られて今日に至っています。 立場が違うと考え方も違ってきます。国、地方自治体、地元の関係団体、自然保護団体など、さまざまな立場の利害や主張が絡んできます。具体的にはどのような意見が出され、どのように決着がついたのでしょう。推進する側、反対する側の意見を整理してみましょう。 (4)「尾瀬・未来への提言」をまとめてみましょう。 毎年、群馬・福島・新潟の小中学生60人が「尾瀬子どもサミット」を開いて今年の夏で14回目を迎えました。3泊4日の尾瀬の現地研修を踏まえ、子どもたちの立場で尾瀬の自然の保護や利用のあり方について、「宣言」や「提言」といった形でアピールを出してきています。そこで、みなさんも尾瀬国立公園の保護や利用のし方について話し合い、未来への提言をまとめてみましょう。 (参考)キーワード 過剰利用(オーバーユース)、富栄養化、ゴミ問題、マイカー規制、ペットの持ち込み、ラムサール条約の登録湿地などが考えられます。これはあくまでヒントです。 3.発展学習として 約10年の間「尾瀬の自然を守る会」(*)の自然保護指導員として環境保護活動にかかわり、戸倉から鳩待峠までのマイクロバスに添乗して入山の心得をレクチャーしたり、尾瀬ヶ原で自然解説をしたりしてきました。尾瀬が独立した国立公園になったことで、以前にも増して新聞やテレビなどで取り上げられることにもなるでしょう。入山者も増えるかもしれません。これからも、「日本の自然保護運動の発祥地」として、望ましい保護と利用のし方を考えていきたいものです。 (*)95年に「尾瀬保護財団」が誕生したこともあり、翌96年「尾瀬の自然を守る会」は解散し、25年におよぶ自然保護活動に終止符を打ちました。
(藤沢市立大庭中学校・有馬 進一)
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