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落ちてきた隕石で計算、太陽系ほぼ同じ年齢


探査機はやぶさ
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 隕石のほとんどは小さな惑星(わくせい)のかけらです。地球や火星(かせい)といった九つの惑星や、たくさんの衛星(えいせい)からできている太陽系は、宇宙空間に漂(ただよ)うチリやガスが衝突(しょうとつ)や合体(がったい)を繰(く)り返(かえ)して、誕生しました。まず中心に太陽ができ、それとほぼ同じ時期(じき)に惑星が生まれました。

 このとき衝突してできたかけらや、惑星になれずに残ったのが小惑星です。縮(ちぢ)む力や熱(ねつ)による影響(えいきょう)を受けずに当時の物質(ぶっしつ)が閉(と)じこめられているので、「太陽系の化石(かせき)」とも言われます。直径(ちょっけい)1千キロ近いものから100メートル以下のものまで8万個以上見つかっていて、多くは木星(もくせい)と火星(かせい)の間にあります。

 小惑星や惑星のかけらが地球の引力(いんりょく)に捕(つか)まって、落(お)ちてきたのが隕石です。

 東京都にある国立極地(きょくち)研究所では、南極観測隊(なんきょくかんそくたい)が集めた1万6千個にのぼる隕石を保管(ほかん)しています。南極でよく見つかるのは、氷(こおり)の上にポツンとあるので、目立つからです。極地研にあるのは、大きく分けると、地上の岩に似ているもの、鉄(てつ)の塊(かたまり)のようなもの、両方が混(ま)じり合ったものの3種類(しゅるい)です。

 最も多いのは岩に似たものです。内部には直径1ミリほどの丸い石の粒が含まれています。「これは太陽系誕生のころに宇宙空間に漂っていたチリが溶(と)けたものです。こうした隕石の年齢を測ると、ほぼ45億6千万年前に集中しています」と同研究所教授の小島秀康さん。

 年齢を測る主な方法には、ごくわずかに含まれているウランという金属(きんぞく)の量を調べるやり方があります。ウランは、長い時間をかけて壊(こわ)れ、最後は鉛(なまり)に変わります。年をとると自然に白髪(しらが)やしわが増えて、子どものころと変わっていくようなものです。

 こうした変化は人間では進み方に違(ちが)いがありますが、ウランは決まったペースで減(へ)るので、ウランと鉛の量を測ると隕石のもとになった惑星たちができてからの年数を割り出すことができます。

 米国がアポロ計画で持ち帰った月の岩石にも約46億年前のものがありました。

 では、どうして隕石は地球の年齢に近いと言えるのでしょう。

 隕石と地球にあるキセノンという物質(ぶっしつ)の一部は、太陽系の初期(しょき)にだけあったヨウ素(そ)という物質が変化したものでした(今あるヨウ素はちょっと違うものです)。こうした点と、太陽系は1億年くらいのうちに一気(いっき)につくられたという考え方をあわせて推測した結果なのです。

 ◆宇宙から岩石運ぶ計画も

地上の岩に似ている隕石(右)、鉄の塊のような隕石(左)。小島さんの手にしているのが両者が混じり合った隕石=東京都板橋区の国立極地研究所で
地上の岩に似ている隕石(右)、鉄の塊のような隕石(左)。小島さんの手にしているのが両者が混じり合った隕石=東京都板橋区の国立極地研究所で
 小惑星や彗星(すいせい)に探査機を飛ばし、岩のかけらやチリなどを取ってこようという計画が、日本や米国で進んでいます。  日本の宇宙航空(こうくう)研究開発機構(かいはつきこう)が03年5月に打ち上げたのが探査機はやぶさ。小惑星イトカワに向け、長旅(ながたび)を続(つづ)けています。出発(しゅっぱつ)から1年後の今年5月には地球に近づき、地球が太陽の周(まわ)りを回る勢いをもらってスピードをつけました。スイングバイという方法(ほうほう)です。大切(たいせつ)な燃料(ねんりょう)を使(つか)わずに済(す)むので、よく使われます。

 イトカワは「日本のロケット開発の父」と言われる故(こ)糸川英夫(いとかわひでお)博士(はくし)にちなんで名付けられました。長さ約500メートルの細長いジャガイモのような形。はやぶさは05年夏ごろ、表面近くに近づき、金属の球(たま)を打(う)ち出して砕(くだ)いた岩石を集(あつ)めます。鳥(とり)のハヤブサが瞬時(しゅんじ)に獲物(えもの)を狙(ねら)うイメージが探査機の名前の由来(ゆらい)です。

 順調(じゅんちょう)にいけば、07年夏に地球に戻(もど)る予定です。出発から4年以上に及ぶ長旅は、宇宙機構の研究者たちにとっても大変な冒険(ぼうけん)です。同機構教授の川口淳一郎さんは「持ち帰った岩石をくわしく調べて、太陽系の始まりや人類(じんるい)が誕生したなぞに迫(せま)りたい」と期待しています。

 はやぶさは、募集(ぼしゅう)に応(おう)じた88万人の名前を刻(きざ)んだ球体(きゅうたい)も積(つ)んでいます。記念(きねん)にイトカワに置(お)いてくる予定です。

 彗星に向かったのは米航空宇宙局(NASA)の探査機スターダスト。今年初め、火星が回る道(軌道<きどう>と言います)近くのビルト2彗星に300キロ以内に接近(せっきん)し、シッポのチリやガスをテニスラケットのような器具(きぐ)で採取(さいしゅ)しました。カプセルに保管(ほかん)して06年初め、パラシュートで米国内に落とすそうです。

 いろんな証拠(しょうこ)が集(あつ)まると、地球の年齢がもっと正確(せいかく)にわかることでしょう。


◆はやぶさのデータ

重量:

約510キログラム(打ち上げ時)
大きさ: 本体約1.0メートル×1.6メートル×2.0メートル
パドルの端から端まで長さ約5.7メートル

 (科学医療部・佐藤久恵)


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