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小中学生記者が取材しました 朝日こども新聞

新球団楽しみ




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佐藤 頌(埼玉県)
「楽天」迎える仙台 街に広がる歓迎ムード

 新球団「楽天イーグルス」が加わり、今年のプロ野球はおもしろくなりそうです。私たちはイーグルスの本拠地、仙台市を訪ね、突貫工事で改築中の球場や、シーズン開幕を待つ市民の様子を取材しました。

 JR仙台駅から宮城球場に通じる道の両側に「新球団誕生!ようこそ仙台へ!」と書かれた旗が並んでいます。

 ガタ、ガタ、ガーン。球場の内部は、ショベルカー、ダンプカーが音をたてて動き回り、大きな工事現場になっていました。土の山も見えます。

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改修がすすむ宮城球場=仙台市で、岡友紀子撮影
 半世紀前にできた球場をプロ野球にふさわしい姿に改める工事です。グラウンドを広げて人工芝に張り替え、手書き式だったスコアボードを電光掲示板にします。

 楽天イーグルスの事務所は球場の近くにあります。ちょうど選手との契約交渉のさなかです。

 球団運営のかなめ役のゼネラルマネジャー(GM)をつとめるマーティ・キーナートさんが突然、私たちの前に現れました。とても日本語が上手です。「野球は楽しんでやるスポーツです。汗が血になるまで練習せよ、と言う人もいますが、イーグルスは野球ファンに楽しい、ハッスルプレーを見せられるチームにします」

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新球団を歓迎するのぼり=
仙台市宮城野区で、高橋真
央撮影
 キーナートさんは楽天の三木谷浩史社長と親しく、日米両国の球団経営にくわしいことからGM就任を依頼されました。「その時、10秒だけ考えて、イエスと答えました」と笑いながらエピソードを教えてくれました。

 新球団の本拠地として仙台の名前が浮かんだ昨年秋からこのニュースを追いかけてきた朝日新聞仙台総局の山本精作記者の話も聞きました。

 山本さんによると、多くの市民は真っ先に手を挙げたライブドアに好意をもち、楽天に距離を置いていました。今は空気が変わっています。もともと東北の人は炭に似ていて、なかなか火がつかないものの、一度点火すると勢いよく燃えるそうです。

 1月22日、選手たちを励ますイベント「羽ばたけイーグルス」が仙台で開かれました。エースの岩隈久志投手ら選手、コーチが勢ぞろいしました。商店街を歩くパレードでは何重もの人垣から声援が飛びました。

 「杜(もり)の都」と呼ばれる仙台はプロ野球開幕とともに熱く燃えさかるでしょう。



伝統の「すずめ踊り」で応援も 市民団体代表・竹内さん

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竹内健二さん=高橋
真央撮影
 約30年ほど前、金田正一監督が率いるロッテ・オリオンズが仙台を本拠にしていました。その歴史もあって地元には熱心なプロ野球ファンが大勢います。

 その一人で、「東北のプロ野球を応援する市民の会・宮城」の代表をつとめる竹内健二さんに会いました。

 「プロ野球が戻ってきて仙台の町も活気づきました。子ども時代にロッテの野球にふれた人たちの喜びは格別。地域に密着しながら、勝つチームになってほしい」と竹内さんは期待を語ります。

 市民の会は、応援の仕方について様々なアイデアを練っています。たとえば、どんな応援なら力が出るかを選手に聞く一方で、球場近くの住宅や病院の人たちに迷惑がかからない方法を考えることにしています。

 得点を入れた時などに「すずめ踊り」をすることも検討中です。仙台の夏祭りで親しまれている伝統の踊りですが、もちろん騒音を抑えるように工夫するそうです。

 (佐藤頌<埼玉県>)



お祭りのような球場に プロ野球選手会・古田会長に聞く

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プロ野球選手会の古田敦也会長
(ヤクルト)=伊崎優仁撮影
 プロ野球選手会の古田敦也会長(ヤクルト)に私たち10人がインタビューしました。1月下旬、プロ野球改革を話し合う会議からかけつけた古田さんはどの質問にもていねいに、わかりやすく答えてくれました。ユーモアがあって、何回も笑いがはじける楽しいインタビューでした。

 ――ストを決めた時はどんな気持ちでしたか?

 「つらかったですね。プロ野球がなくなったら困る、球団はたくさんあった方がいい、というぼくたちの考えを訴えるにはストしかなかった。でも、試合を楽しみにしている人がいる。どうしたらいいのか。みんなで話しあい、悩んで結論を出しました」

 ――毎日、会議に追われながら試合では大活躍。コンディションをどう整えたのですか?

 「眠らなければいけない時は短くてもしっかり眠りました。トレーニングも短時間かならずやる。会議も真剣に取り組む。一日24時間の中で一生懸命やるしかなかった」

●家族が支え

 ――強さはどこから?

 「応援してくれる人が周りにいることが大きい。たとえば家族。ぼくは大学時代、練習がきつくて何回もやめたいと思ったけれど、両親が懸命に働いて仕送りしてくれるのを考えたらやめられなかった。今回もファンの皆さまがすごく応援してくれた。簡単には引き下がれなかった」

 ――球団の合併をどう考えますか?

 「合併はあまりよくない。なぜかというと、1球団には100人ぐらいの人が働いていて、もし合併したら半数の人はやめなければならない。ファンにしてもその球団が好きだから応援している。合併した球団を応援するだろうか。野球をやる人も応援する人も減れば、プロ野球全体から活力が失われますよ」

●工夫が必要

 ――これからの野球界への希望は。

 「球場に行けばいつもお祭りのように楽しい、そう感じられるようにしたい。今の時代は野球、サッカーがあり、おもしろいゲームがあり、テレビのチャンネルもたくさんある。その中でプロ野球に関心をもってもらうには工夫が必要です」

 ――捕手というポジションについて。

 「ピッチャーを助け、チームを勝たせるのが仕事です。毎回勝ちたいと思うけれどそうはいかないのでストレスがたまる。道具を付けて座ったり立ったりして肉体的にも大変。でも、一球一球、バッターと戦っているというおもしろみがある」

 ――こども向けのおすすめの本はありますか?

 「おとな向けならいっぱいあるけど……そうだ、清水義範さんの『国語入試問題必勝法』。中学、高校の時、国語のテストで長文の文意を答える問題が出るたびに、ぼくが正しいと思って書いても、それは違いますと言われた。先生の説明を何度聞いてもわからず、常々納得がいかなかった。その疑問がこの本を読んで解けました。子ども時代にはいろんなジャンルの本を読んだ方がいい。一つに固まると考え方が堅くなる」

●手を比べたら

 ――(こども記者の一人が)ぼくの手と大きさを比べさせてください。

 「いいですよ。(手を合わせ)大きいでしょう。ぼくは小学校のころから毎朝1斤の食パンを食べ、毎日1リットルの牛乳を飲みました。中学に入って身長がぐんぐん伸び、卒業する時に180センチぐらいになりました」



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左:多田圭太、右:増田裕太
(いずれも大阪府)
闘争力あるチームつくる オリックス・バファローズ監督の仰木さん、意欲満々

 去年は球団合併、新球団設立、ストライキなどいろいろなことがありました。その合併でできた新球団、オリックス・バファローズの仰木彬監督(69)はどんなチーム作りを考えているのでしょうか。

 「元気でがんばる、闘争力のあるチーム。若くて元気のある選手を中心に、そこに中堅、ベテランを加えて調和をとりたい」と話していました。

 仰木監督は選手時代から優勝経験が豊富で、オリックスと近鉄の両方で監督をしました。今度、監督を引き受けたのは、「どちらも大好きだから、低迷が心配だった。合併してよかった。こどもファン、ファミリーのみなさんら地元のファンと密着したチームをめざす。関西のチームとして応援してほしい」と話しました。

 監督自身、選手でいた西鉄ライオンズがその後、西武ライオンズになって、福岡から関東へ行ってしまったときは、家族と離れたときのように寂しかったそうです。

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マークが入ったユニフォームを胸にあてる
仰木彬監督=大阪市で、多田圭太撮影
 仰木監督は米メジャーに行った野茂英雄投手を育てましたが、いま新チームに帰ってきてほしいのでしょうか。

 「戻ってきてほしいね。だけど彼はメジャーでやりたい気持ちが強いからまだまだ、やり続けるだろう」と見ています。

 監督をしてきてよかったのは毎日、目標をもって汗を流したり頭を使ったりできることと、若い選手の成長が楽しみなことです。イチロー選手のような若手との出会いがあるかもしれないと期待ものぞかせました。

 10年前、阪神大震災の年に優勝したときは、選手、ファンみんなのがんばりに人間ってすごいなと感じたそうです。

 では監督にとって野球とは何でしょう。「野球はすばらしいスポーツ。野球イコール人生、です」。応援しています。

 (多田圭太<大阪府> 増田祐太<大阪府>)


   *

 ■こども新聞の取材・執筆にあたっては、朝日新聞社の次の記者がお手伝いしました。酒井憲太郎、高橋庄太郎、玉木ゆり、駒井秀雄、松井京子。





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