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作者を守る著作権


図
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  ●作品できた瞬間に 

 著作権とは、絵を描いた人、小説を書いた人、音楽を作曲した人などが自動的(じどうてき)に持つ権利のことです。その絵や音楽の出来は関係ありません。作品が生まれた瞬間に、著作権は発生するのです。

 だから、ののちゃんが絵を描いたら、その絵を印刷したり、販売したりできるのは原則として、ののちゃんだけなんだ。絵を売って得られるお金を他の人がズルをして手に入れたら問題だよね。

 それから、その絵に手を加えて描き直すことができるのも、ののちゃんだけ。一生懸命(いっしょうけんめい)に描いた絵を友達が勝手に描き直したら、腹が立つよね。

 つまり、お金の面でも気持ちの面でも、絵や小説などの作者を守る、それが著作権です。でも、「ボケ」などと、文字で書いた簡単な落書きには著作権は発生しません。

 ルールを定めているのは法律です。著作権を無視して勝手なことをすれば、警察に捕まえられるなど罰(ばつ)をうけることがあります(5年以下の懲役〈ちょうえき〉もしくは500万円以下の罰金〈ばっきん〉)。

 99年には小学校の国語のテストをめぐって、詩人の谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)さんや作家らが、テストを作った出版社を相手に、お金を支払うよう求める裁判(さいばん)を起こしました。テストの問題文には谷川さんたちの文章が使われていましたが、その出版社は谷川さんたちに許可をとっていませんでした。

 出版社は、許可を受けなくてもいいと法律で認められた「引用」だと主張しました。でも、裁判所は、谷川さんらの主張を支持し、出版社側に合計1億1500万円を支払うよう命じました。

 また、最近では、ある漫画家(まんがか)が自分の作品に、有名な漫画「スラムダンク」のシュートシーンなどをマネして描いていたことが分かり、問題になりました。マネをしていた漫画家は謝罪(しゃざい)し、作品は売ることが出来なくなりました。

 でも、お母さんに見せるためなど個人的な目的で、友達の絵や「スラムダンク」の1コマを写すことは問題ありません。学校の授業で使うためのコピーや、校内放送で音楽を流すことも法律で認められています。


  ●保護のしすぎは社会にマイナス 

 最近は、著作権を持っている人たちが、自分たちの権利をもっと守って欲しいと主張をするケースが増えています。

 たとえば、著作権が保護される期間は現在は原則として作者の死後50年ですが、これを長くするよう求めています。

 また、コンピューターの発達で、音楽をCDからMDにコピーするなど、簡単に同じものをたくさん作れるようになりました。こうした技術の進歩についても、作曲家など著作権を持っている人たちは悪影響(あくえいきょう)を気にしています。コピーが勝手に世間に出回れば、本物のCDが売れなくなる恐れがあるからです。

 著作権は大事な権利ですが、あまりに手厚く保護しすぎると、音楽を聴く側など利用する人にとっては窮屈(きゅうくつ)になります。その結果、音楽の利用がかえって減ってしまうなど、社会全体にとってはマイナスになる恐れがあるのです。著作権を持つ人と、利用する人と、両方の利益(りえき)のバランスを取ることが大事なんです。

(赤田康和)



 ■クイズの答え

 A1 × たくさんのMDに録音するには、作曲家、作詞家、歌手、レコード会社などに許可をもらう必要があります。

 A2 ○ 校内など一つの空間で、お金をもらうことを目的とせずに放送することは許されています。

 A3 ○ 歌詞も著作物ですが、授業に使う目的で、その歌の売り上げに悪影響を与えない程度なら、いいことになっています。

 A4 × 絵を描いた人に、許可を得ないで、勝手に絵を公の場所に展示することは、原則としてできません。

 A5 ○ 夏目漱石は亡くなってから50年以上たつので、小説を脚本に変えるなど、基本的に作品を自由に利用できます。

 A6 × 日本をはじめ多くの国では表示がなくても、勝手に作品を使うことは許されません。

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