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中海・宍道湖の淡水化中止 澄田・島根知事が表明
- 問い直される公共事業
つい最近工事をしていたのに、またバリバリと道路を掘り返している。という光景に出会ったことはありませんか。
わたしたちの暮らしと公共事業はきっても切れない関係にあります。国も地方も厳しい財政状況の今、公共事業のありかたが問い直されています。公共事業の中止・削減問題は、さまざまな要因がからみあっており、いろいろな角度から考えていく必要があります。今回は中海・宍道湖、淡水化中止の記事から、公共事業を環境との関連でアプローチしていきましょう。
- ワークシートのポイント
(1)中海と宍道湖は海水と淡水が混ざり合う汽水域
1963年に国営中海干拓・淡水化事業が始まりました。食糧を増産するという国策を受けたものです。島根、鳥取両県にまたがる中海と島根県の宍道湖を日本海から閉め切って淡水化することと、中海の4分の1を占める2540ヘクタールを干拓する事業です。農業用水と農地を確保することが目的でした。淡水化によってどういう影響があるのか。メリット、デメリットについて考えていきましょう。
(2)40年の歳月は日本の公共事業の歴史
1970年に米の減反政策がはじまり、食糧増産という淡水化の事業目的が失われてしまいました。事業による環境悪化を訴えた住民による反対運動が原動力となり、2000年には中海干拓事業が中止に追い込まれました。総費用が851億円もつぎ込まれた40年の淡水化事業の経緯について調べておきましょう。関連情報を収集し、流れを確認することでこれからどうあるべきかが見えてくるでしょう。
(3)「走りだしたら止まらない」大型公共事業にストップ
事業による環境悪化を訴えた住民運動の中心人物である島根大学保母武彦教授は、科学の力と世論の力の二つの要因があると述べておられます。「かけがえのない中海・宍道湖の再生こそ、これからの開発を考えるモデルになる」という保母教授の言葉をしっかりと受け止め考えていきたいですね。
(4)淡水化中止は終着駅ではなくこれから
関連記事にもあるように残された多くの課題があります。淡水化事業で中海と日本海を遮断するために建設された中浦水門で働く人たちの雇用問題があります。中海・宍道湖の水質の問題、漁業の問題と課題は山積していますが、「負の遺産」を受け継いでいかねばなりません。外部の視点ではなく、そこに暮らす人の立場にたって、想像力をはたらかせて考えていきたいですね。
- 発展学習として
「公共事業をどうするか」を考えていくことは、市民にとって暮らしやすい社会をつくっていくことにつながります。公共事業とは何か。今までどういうことが行われてきたのか。現在見直されている公共事業について調べてみましょう。
公共事業は環境というものさしで考える必要があります。わたしたちは自然とともに暮らしています。諫早、川辺川ダムなどすでに工事が始まって公共事業についても検討していかねばならないでしょう。朝日新聞西部本社が主催する佐賀県鹿島市の環境教室などに参加し、体験を通して考えてみるのもひとつの方法だと思います。
(大阪市立天王寺中学校・植田 恭子)

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