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東京・山谷の赤ひげ、出前診療 お年寄りの孤独死増加「みとらねば」

(朝日新聞東京本社発行 7月27日付夕刊)

「苦しくない?」と男性をいたわる中島儀一さん"
「苦しくない?」と男性をいたわる中島儀一さん=東京都台東区清川2丁目で

 日雇い労働者の町だった東京・山谷の簡易宿泊所で、人知れず病死するお年寄りが増えている。高齢と不況が、生活保護を受けて暮らす身にのしかかる。何とかしようと、長年、医療活動を続ける民間団体が、宿泊所に入り込んで住人たちの健康を見守る「出前診療」を始めた。

 「暑いねえ。調子はどう?」

 平日の午後6時、冷房のない蒸し暑い宿泊所2階の3畳間。ランニングシャツ姿で横たわる初老の男性の胸に聴診器をあてながら、男性医師(40)が話しかけた。

 出前診療を始めたのはNPO(非営利組織)の「友愛会」。週に2度、看護師ら3人1組で3軒の宿泊所を巡回している。「病院がきらい」「自由でいたい」と病院に行きたがらないお年寄りたちが対象だ。胃がんが見つかって急きょ、手術する人もいた。

 友愛会の代表を務めるのがカトリック修道士中島儀一さん(70)。

 北海道函館市生まれ。両親を早く亡くし、預けられた親類宅近くの修道院の鐘の音を聞いて育った。17歳で上京。少年院の指導員や障害者施設の医療相談員を務めた。

 49歳のとき、偶然訪ねた山谷の修道会で、来日中のマザー・テレサと出会った。ノーベル平和賞を受けたマザーの下で修行したいと、カルカッタ(現コルカタ)へ渡った。

 2年後に帰国。山谷へ入った。炊き出しから始めた活動は十数年になる。4年前には居酒屋を改修して、ホームレスに終末期医療を施すホスピス「友愛ホーム」を作った。入居者はこれまでに約70人。いまは末期がん患者ら20人が過ごす。

 「国は国際援助に金をつぎ込むけど、山谷には何もしない。日本も苦しいんだよ。人が苦しんでいるんだよ」

 東京都によると、山谷の簡易宿泊所は175軒。5000人の住人の半数は生活保護を受ける。平均年齢は右肩上がりで今年、60歳を超えた。友愛会は、そのうち1割が病気にかかりながら治療を受けず、年に60〜70人が亡くなるとみている。

 中島さんはこれまで、山谷で100人以上の死と向き合った。家族がお骨を引き取りにきたのは3人だけだ。

 行き場のない遺骨は、中島さんに共鳴した調布市内の延浄寺が無料で引き取っている。「彼はね、マザー・テレサみたいなもんです。山谷のマザーだな」と住職の網代正孝さん(63)。

 中島さんの悩みは資金不足。運営に公的援助はなく、ホームの入居者の生活保護費など1日2400円のほかは、寄付が頼りだ。

 「マザーはよく言ってましたね。『人間は路上で死ぬべきじゃない。誰かがみとってあげなければ』と。人間は、ごみじゃない」

 友愛会の連絡先は03・5603・2829。



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