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民話の里、思い複雑 電波少年ニセ河童騒動(遠野発)

(朝日新聞東京本社発行  11月28日付朝刊)

カッパ淵
遠野でカッパが出ると言われるカッパ淵

 「民話のふるさと」を掲げる岩手県遠野市に現れた河童(かっぱ)は、日本テレビの番組「電波少年に毛が生えた」が送り込んだにせものだった。古くからの心の友を遊び半分に使われた地元で、様々な思いが交錯している。

 日本テレビの大泉克郎広報部長は、動機を「忘れられかけた文化、伝統を取り上げようとした」と説明する。「実在しない生物なので、やらせの問題とは違う。ジョークとして理解してもらえたのでは」

 だが、遠野の人の心に河童は生きていた。

 宮沢賢治の故郷、花巻からJR釜石線で約1時間。寒風吹きすさぶ盆地に遠野はある。92年前、民俗学者柳田国男が地元の伝承を書き残した「遠野物語」の舞台だ。

 駅前に河童像が立ち、歩道に水かきがある足跡が描かれている。市のキャラクターも、市の花のリンドウを担いだ河童の「カリンちゃん」だ。

 河童に扮した若手芸人が潜んだ小烏瀬(こがらせ)川は、市立土淵小の裏手を流れる。児童142人の小さな学校だ。

 子どもたちと先生にわざと見つかるようにニセ河童は現れた。「東京からの取材が殺到し一時は授業にならなかった」。先生たちの口は重い。

 土淵地区は柳田国男に伝承を話した佐々木喜善の生地だ。観光名所になったカッパ淵(ぶち)も小学校のそばにある。民話の伝承に力を入れてきた。「一人1話を覚えよう」を目標に「子ども語り部」を育て、敬老会などで発表してきた。

 「大事にしてきた信仰の世界に土足で踏み込んでこられれば、いい気はしない」と地元の遠野物語研究所の高柳俊郎所長代理(71)は言う。

 高柳さんによると、遠野市内で河童が出ると言われる淵は少なくとも20カ所ある。水神信仰や江戸時代の大飢饉(ききん)時の間引きなど、厳しい歴史が背景にある。

 地元のタクシー会社の常務は「芸人さんはご苦労だけど、河童はシャイだから、あんまり騒ぐと出てこれなくなっちゃうわよ」と言った。

 ○「全国に知られた」 歓迎の声も

 「電波少年」は、「平均視聴率が13%を突破しなければ打ち切り」を公言する。市内の飲食店の女性は「数字やお金で何でも割り切れると思う人に、河童は絶対に見られないわ」とむくれた。  一方で、市観光協会には全国から問い合わせが殺到した。応対した大洞美智子さん(29)は「どんな経緯でも全国に知られるのはいいこと」と屈託がない。地元のケーブル局「遠野テレビ」は昨年の開局以来、カッパ淵に定点観測のカメラを置く。ホームページで「河童を生け捕りしたら1千万円」と呼びかける。

 遠野には温泉も大きなスキー場もない。一番の観光資源が民話だ。高度成長で失われた心を取り戻そうという機運に合ったのか、70年に旧国鉄が始めた「ディスカバー・ジャパン」をきっかけに、都会から観光客が押し寄せた。年間60万人が、今も遠野を訪れる。

 阿部ヤエさん(68)は語り部として、観光客に昔話やわらべうたを伝えている。「本当は囲炉裏端でひそひそ話すもの。大勢を相手に話すものじゃなかった」と語る。

 伝承では、遠野の河童が現れるのは主に夏。季節外れのカッパ淵の水は身を切るように冷たい。(石田博士)

 <カッパ騒動> 東京スポーツが10月、「岩手県遠野市でカッパ発見」の見出しで、地元の目撃談を掲載した。テレビ各社が現地取材し、ワイドショーで取り上げた。今月13日、複数のスポーツ紙が日本テレビのバラエティー「電波少年に毛が生えた」の仕業と報道。同局が認めた。  同広報部によると「日本にロマンを広げよう」という趣旨で、8月から3カ月にわたり、河原に若手芸人が変装して潜んだ。スタッフが新聞社やテレビ局に写真を匿名で送った。「電波少年」は今月16日、「ロマンチックを忘れないで」と題して経緯を放映。視聴率は12.1%だった。



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