◇ののちゃん ゆうべ、急に磁石の作り方が気になり出して、なんだか眠れなかったんだ。ふわぁーあ。
◆藤原先生 大きなあくび。
◇ののちゃん だって、工場のあっちこっちで磁石がくっついて大変そうじゃない?。
◆先生 作る途中(とちゅう)でくっついたら確(たし)かに困(こま)るわね。早速、種明かしすると、くっつく力を持たせるのは、磁石を作る一番最後だから大丈夫なの。
◇ののちゃん え〜、どうやって、そんな力を付けるの?
◆先生 ものすごく簡単にいうと、電気で働く強力な磁石のそばに置くの。
◇ののちゃん 鉄くぎを磁石にこすりつけると、くぎが磁石みたいになっちゃうように?
◆先生 そう。鉄には磁石になる隠れた才能のような力があって、強い磁石がその力を引き出すのよ。
◇ののちゃん じゃあ、磁石はみんな鉄から作るのかな?
◆先生 鉄を使う磁石は多いけれど、才能のある材料は他にもあるわ。うまく才能を発揮させる組み合わせが、工夫のしどころよ。例えば、このフェライト磁石。
◇ののちゃん 冷蔵庫や黒板にくっつけるのと同じだね。
◆先生 主な材料はさびた鉄(酸化鉄)。他の材料と混ぜてから高温で焼き、細かく砕いてから形を決める。それからまた焼き固めるの。酸化鉄は簡単に手に入るから、安く作れるのが特徴よ。自動車1台あたり、50〜60個も使われているわ。
◇ののちゃん そういえばお兄ちゃんが、ワイパーやアンテナが動くのは磁石のおかげだぞって言っていた。
◆先生 その通り。それから、磁石を近づけると時計が狂いやすいことは知っている? 磁石を利用して歯車を動かす腕時計もあるの。小さくても、とても力の強い磁石を使うのよ。
◇ののちゃん どんな磁石?
◆先生 ネオジムという金属を鉄などと混ぜたネオジム磁石。いま世界で一番強く、作られる量も世界一多いのよ。
◇ののちゃん どれくらい強いのかな。
◆先生 最新の技術では、フェライト磁石の10倍以上だそうよ。人の体を輪切りにした写真を撮るMRI(磁気共鳴断層撮影装置)という機械にも使われているの。
◇ののちゃん ほぉー。弱点はないの?
◆先生 すぐにさびることと、高温では力が弱くなること。アルミニウムなどが使われたアルニコ磁石は、熱に強いのよ。
(取材協力=株式会社ネオマックス支配人・石垣尚幸さん、構成=冨岡史穂)
(1月22日付夕刊)
◇ののちゃんと藤原先生への質問をお寄せください。お待ちしています。
◇調べてみよう
(1)人が強力な磁石を作ってきた歴史をたどると、日本人の名前がたくさん見つかるよ。彼らはどんな発見をしたのかな。
(2)牧場には、人がのみ込ませた磁石を胃の中に持つ牛がいる。どんな目的なんだろう?