◇ののちゃん ゆうべ、お風呂で髪を洗ったんだけど、ぜんぜん泡が出なかったよ。シャンプーが足りなかったのかな。
◆藤原先生 もしかしたら髪が汚れていたのかもしれないわ。たくさん汗をかかなかった?
◇ののちゃん うん、いっぱい遊んだよ。縄跳びして、鬼ごっこして、砂遊びして……。
◆先生 やっぱり。頭の皮膚には、ふだんから汗や皮脂が少しずつ出ていているの。髪をつたって30分で10センチくらい進むらしいから、夕方ごろ髪がしっとりするのは、そのせいね。運動すると、もっと汗や皮脂の量が増えて、ちりやほこりがくっつきやすくなって汚れるのよ。
◇ののちゃん なんで汚れると泡が出ないの?
◆先生 シャンプーの泡って、界面活性剤という成分が球状にたくさん並んだものなの。せっけんやいろいろな洗剤の泡も同じよ。この成分は、皮脂などにくっついた汚れがあると、それを取り囲んで水と一緒に流れやすい状態にしてくれるの。たくさん汚れがあると、たくさんの界面活性剤が取り囲むことになるわね。すると、どうなるでしょう?
◇ののちゃん あ、そうか。泡になる界面活性剤がなくなっちゃうのか。
◆先生 そういうことね。
◇ののちゃん じゃあ、泡が出なくても汚れはとれてるから、心配しなくていいんだ。
◆先生 うーん、そうとも言い切れないわ。泡が出ないときは汚れが多すぎて取り去れない状態になっていることも考えられるわね。それに、泡は髪を洗うときに役立っているのよ。空気を包みこんでいるから、髪の間に入り込むと、髪がすれあって表面を傷つけることを防いでくれるわ。細かい泡なら、髪や皮膚のすき間に入り込んで汚れを落としてくれるし。
◇ののちゃん でも、たくさん泡が立つようにすると、川を汚すことにならないかな。
◆先生 シャンプーの成分は、微生物が分解するものに変わってきているそうよ。環境に配慮した成分を使うように規制も厳しくなっているわ。ただ、無駄遣いはしないように気をつけなくちゃね。これから季節も暖かくなるわ。汗や皮脂を放っておくと菌が増えてにおいが出やすくなるから、汗をかいたら面倒がらずに洗ってね。
(取材協力=ライオンビューティーケア研究所・西田勇一さん、構成=佐藤久恵)
(朝日新聞東京本社発行 3月26日付夕刊)
・「ののちゃんのふしぎ玉手箱」は、4月から名前が「ののちゃんのDO科学」と変わり、日曜日の「緑のbe」4面に登場します。お楽しみに。
ののちゃんと藤原先生への質問をお寄せください。お待ちしています。
◇調べてみよう
(1)温泉に行って、シャンプーやせっけんの泡立ちが悪かった経験はないかな。温泉によって泡立ちの程度は違うよ。理由を調べてみよう。
(2)汗や皮脂はどういうときに出やすくなるのだろう。体の部分によって違いはあるのかな。