◇ののちゃん 宇宙服(うちゅうふく)を着(き)た宇宙飛行士(ひこうし)をテレビで見たよ。空気(くうき)がないんでしょ。宇宙の星と星の間って何もないところが、ずっと広(ひろ)がっているの?
◆藤原先生 まったく何もないわけじゃないの。とても少ないけど、水素(すいそ)やヘリウムなどのガスがただよっているのよ。あと、ほんのわずかだけど細(こま)かい石のちりもあるわ。
◇ののちゃん 少ないってどれぐらい?
◆先生 私たちは息(いき)をしているでしょ。1立方(りっぽう)センチの空気に入っている窒素(ちっそ)や酸素(さんそ)、二酸化炭素(にさんかたんそ)などの分子(ぶんし)の数は、3×10×10×10…と10を19回もかけた数(19乗(じょう))になる。でも、宇宙では同じ1立方センチあたりに平(へい)均(きん)1個ほどしかないの。
◇ののちゃん ほんとうに少ないんだね。
◆先生 空気を抜(ぬ)く真空(しんくう)ポンプという機械(きかい)を作っている日本の会社(かいしゃ)があるけど、どんなに空気を抜いても、分子を3万個ぐらいまでしか減(へ)らせないらしいわ。
◇ののちゃん でも、宇宙のガスが集(あつ)まって星ができるんでしょ。そんなにほんの少ししかないのに、太陽(たいよう)みたいな大きな星ができるのかな?
◆先生 宇宙がそれだけ大きいということよ。ガスの濃(こ)いところでも、1立方センチあたりの水素の数は百個ほどしかないらしいけど、一つの辺(へん)が1センチじゃなくて1光年(こうねん)という単位(たんい)で考えてみましょうか。
◇ののちゃん 光の速(はや)さで1年に進んだ距離(きょり)だよね。
◆先生 そう。そのなかにある水素の数は、9かける10の55乗個ほど。重さは地球数万個分にもなるのよ。
◇ののちゃん そんなになっちゃうんだ!
◆先生 太陽の次に地球に近い星は、4.4光年離(はな)れたアルファ・ケンタウリ。宇宙全体(ぜんたい)の広さからいったら、1光年なんて近いところっていえるわね。
◇ののちゃん 宇宙を漂っている水素とかは、どこから来たの?
◆先生 水素のほとんどは宇宙が誕生(たんじょう)したときにできたと考えられているわ。水素以外(いがい)の炭素や窒素、鉄(てつ)といった物質(ぶっしつ)は、星が宇宙にばらまいたのよ。
◇ののちゃん 星が?
◆先生 太陽のように輝(かがや)く星の内部(ないぶ)では、いろんな物質が作られているわ。その星が死(し)ぬときに、中にあった炭素や窒素、鉄、カルシウムなどが外にまき散(ち)らされるの。そのガスがまた長い年月をかけて集まり、星の材料(ざい・りょう)になるのね。
◇ののちゃん 太陽も地球も、同じようにしてできたんだよね。
◆先生 そう。地球だけでなく私たちの体も、星のかけらでできているともいえるわね。
◇ののちゃん なんだか遠くの星も身近(みぢか)に思えるね。
(取材協力=国立天文台教授・長谷川哲夫さん、構成=福島慎吾)
(朝日新聞社発行 5月29日付be)
◇調べてみよう
(1)宇宙のガスが集まっている「星雲(せいうん)」のなかには、赤や青など、きれいに輝いているものがあるよ。色が違うわけは何だろう。
(2)私たちの太陽はいま、何歳(なんさい)ぐらいなんだろう。これからどんな「一生(いっしょう)」を送(おく)るのかな。