 |
地球の内部 |
◇ののちゃん 地球の中心の温度(おんど)は数千度なんだってね。どうしてそんなに高いのかな。
◆藤原先生 地球の歴史(れきし)をさかのぼって考えてみましょうね。地球は、とても小さい惑星(わくせい)どうしが衝突(しょうとつ)して、くっつくことを繰(く)り返(かえ)して次第(しだい)に大きくなってできたと考えられているわ。衝突した時の大きなエネルギーが熱になり、誕生(たんじょう)当時は、表面(ひょうめん)が溶(と)けるくらい高温だったのよ。
◇ののちゃん それが地球の熱のもとなんだ。
◆先生 ほかに、地球をつくる基本的(きほんてき)な元素(げんそ)の中に、放射線(ほうしゃせん)を出しながら壊(こわ)れていくものがあるの。この熱は、衝突時に地球内部に蓄(たくわ)えられた熱とほぼ同じくらい。でも、エネルギーを出す元素は壊れて次第に減(へ)っていくわね。
◇ののちゃん じゃあ、だんだん、地球は冷(ひ)えていってるってことなの?
◆先生 ええ。地球の熱は、表面から冷えていくわ。みそ汁(しる)をおわんに入れておくとだんだんさめるけど、その時、みそ汁の中のみそをみると、ぐるぐると動いているのがわかるわ。あれはみそ汁の「対流(たいりゅう)」が起こっているからなの。対流は、高温の場所から低温の場所に熱が運(はこ)ばれる現象(げんしょう)をさすのよ。
◇ののちゃん 地球の中でも対流が起こっているということ?
◆先生 そうよ。地球の中は、重い金属(きんぞく)は深いところに、軽い岩石(がんせき)はその上にというようにいくつかの層(そう)に分かれているの。地球をゆでたまごにたとえると、外側の殻(から)にあたる部分が地殻(ちかく)、白身(しろみ)がマントルで、黄身(きみ)が核(かく)と呼(よ)ばれているの。マントルと核には対流があって、マントルは大きいから、その動きによって大陸が移動するなど地殻も影響(えいきょう)を受けているのよ。
◇ののちゃん マントルにも対流があるんだね。 どんなふうに動いているの?
◆先生 大ざっぱにいうと、南太平洋(みなみたいへいよう)とアフリカの下に大きな上昇流(じょうしょうりゅう)があると考えられているわ。また、太平洋をとりまく陸(りく)の近くでは、沈(しず)みこむ動きがあると推定(すいてい)されているのよ。地震波(じしんは)が伝わる速さから、温度を推定して、高温部では上昇が、低温部では下降(かこう)していると予測(よそく)したのよ。
◇ののちゃん 地球が冷えちゃったら、対流はなくなっちゃうの?
◆先生 そうね。完全(かんぜん)に冷えて硬(かた)くなってしまえば、対流は起こらない。現在から数百度程度下がると対流が止まるらしいわ。地下の動きがまったくなくなれば、地震や火山活動(かざんかつどう)も起こらなくなるでしょうね。そしたら、温泉(おんせん)や美しい景観(けいかん)など豊(ゆた)かな自然の恵(めぐ)みを楽しむことができなくなってしまうわね。
(取材協力=東京大学地震研究所教授・本多了(さとる)さん、構成=瀬川茂子)
(朝日新聞社発行 9月25日付be)
◇調べてみよう
(1)紅茶(こうちゃ)や緑茶(りょくちゃ)の葉を入れた透明(とうめい)なポットにお湯を注いだ時、茶の葉がどんな動きをするか観察(かんさつ)してみよう。
(2)世界地図で大陸の形をみてみよう。マントル対流によって、昔くっついていた大陸が離(はな)れて、運ばれたという説が想像(そうぞう)できるかな。