◇ののちゃん 先生、そのネックレス、黒い玉(たま)が光ってて、とてもきれいだね。何ていう宝石(ほうせき)なの?
◆藤原先生 真珠の一種(いっしゅ)の黒真珠よ。少し緑色がかっていてきれいでしょ。
◇ののちゃん 真珠はどうやってできるのかな?
◆先生 真珠は二枚貝(にまいがい)や巻(ま)き貝など、貝殻を持つ貝ならどんな貝でもつくることができるのよ。貝殻は、貝の内臓(ないぞう)を覆(おお)っている外套膜(がいとうまく)から出る炭酸(たんさん)カルシウムと特殊(とくしゅ)なたんぱく質(しつ)(コンキオリン)でつくられるの。真珠の成分(せいぶん)も貝殻と同じよ。貝の体内に入った異物(いぶつ)が核(かく)となり、周囲(しゅうい)に炭酸カルシウムとコンキオリンの薄(うす)い層(そう)が何重(なんじゅう)にも形成(けいせい)されたのが真珠なのよ。
◇ののちゃん 海の中は宝石でいっぱいなんだね。
◆先生 残念(ざんねん)だけど、10万種以上いる貝類のうち、指(ゆび)輪(わ)やネックレスに使える美しい真珠をつくるのはアコヤガイやシロチョウガイ、クロチョウガイなど限られた貝だけなのよ。でも、いろんな色の真珠があるわ。
◇ののちゃん 白だけだと思ってた。どうしていろんな色ができるの?
◆先生 真珠層のコンキオリンに含まれる色素によって色が決まるのよ。色素は貝によって違っていて、アコヤガイやシロチョウガイには黄色色素が含まれているの。黄色色素が少ない貝からはきれいな白色の真珠が採れるし、黄色色素が濃(こ)いシロチョウガイからは金色の真珠が採(と)れるわ。
◇ののちゃん じゃあ、先生の真珠は?
◆先生 黒真珠はクロチョウ真珠といって、黒色色素を持つクロチョウガイから採れるの。赤色色素を持つ巻き貝のピンクガイはピンク色のコンク真珠をつくるのよ。
◇ののちゃん わぁ、いっぱいあるんだね。
◆先生 色素の具合によって、ピンクがかった白色だったり、赤みのある黒色だったり微妙(びみょう)な色合(いろあ)いが生まれるのよ。日本では、女性の肌(はだ)の色に一番似合(にあ)うとされるピンクがかった白真珠が好まれているようね。
◇ののちゃん 真珠はどうやって採るの?
◆先生 ほとんどが養殖(ようしょく)よ。天然(てんねん)の貝からは数百〜1万個に1個の割合でしか真珠は見つからない。色や形が整(ととの)っていて宝飾品(ほうしょくひん)に使えるものとなるともっと数が少なく高価(こうか)だったの。19世紀末(せいきまつ)に養殖ができるようになり、比較的手頃(ひかくてきてごろ)な値段(ねだん)で買えるようになったのね。日本での養殖はアコヤガイが中心だけど、タヒチなどではクロチョウガイ、オーストラリアなどではシロチョウガイが養殖されているわ。中国では川や湖に生息(せいそく)する二枚貝を使った養殖が盛(さか)んよ。
(取材協力=国立科学博物館動物研究部主任研究官・齋藤寛(さいとうひろし)さん、ミキモト営業本部長・赤松蔚(あかまつしげる)さん、構成=中村浩彦)
(朝日新聞社発行 10月23日付be)
◇調べてみよう
(1)真珠の養殖はどこが盛んかな?
(2)東京・上野(うえの)の国立科学博物館(こくりつかがくはくぶつかん)で、来年1月22日まで、世界の真珠や宝飾品を集めた「パール展(朝日新聞社など主催、ミキモト特別協賛)」が開催中(かいさいちゅう)だよ。どんな色の真珠が見つかるかな?