◇ののちゃん イカを電子(でんし)レンジで温めたら、バンという音がして、びっくりしちゃった。
◆藤原先生 電子レンジは食品(しょくひん)の中の水の分子(ぶんし)を温めるのよ。温められた水が水蒸気(すいじょうき)になると、体積が増えるでしょ。イカの皮(かわ)と身(み)の間に体内から出てきた水蒸気がどんどんたまって、そのうち皮が破裂(はれつ)するのよ。
◇ののちゃん 卵(たまご)もそのまま入れてはだめって言われたけど、同じ理由(りゆう)なの?
◆先生 そう。白身(しろみ)も黄身(きみ)も膜(まく)にくるまれているからなのよ。栗(くり)やぎんなんは割(わ)れ目(め)を入れてから。イカは皮をむくか、切れめを入れれば大丈夫(だいじょうぶ)よ。
◇ののちゃん 肉(にく)まんを温めたら硬(かた)くなっちゃったことがあるんだけど、水蒸気と関係(かんけい)あるのかな。
◆先生 ええ。表面(ひょうめん)から水蒸気が逃げてしまったのね。肉まんを水にくぐらせてから容器(ようき)に入れ、上にラップをするといいわよ。それから、温める時間を長くしすぎないようにね。
◇ののちゃん ハイ。でも、電子レンジでなぜものが温まるの。
◆先生 マイクロ波(は)という電磁波(でんじは)を食品に当てているのよ。昔(むかし)、米国でレーダーの実験中(じっけんちゅう)に、マイクロ波が当たったチョコレートが溶(と)けちゃったらしいの。それからマイクロ波を食品加熱(かねつ)に使う開発研究(かいはつけんきゅう)が始まったといわれているわ。
◇ののちゃん ひょうたんから駒(こま)ってやつだね。
◆先生 ええ。マイクロ波には水分子を激(はげ)しくふるわせる性質(せいしつ)があり、水分を含(ふく)む食品に当てると食品中の分子どうしがぶつかってまさつ熱を出して熱くなるの。レンジの内側の金属(きんぞく)の板でマイクロ波を反射(はんしゃ)させて、いろんな方向(ほうこう)から当たるように工夫(くふう)してあるわ。
◇ののちゃん ムラができないような工夫だね。
◆先生 だから、金属の容器は使えないわね。陶器(とうき)はマイクロ波を通過(つうか)させるから、中の食品が温まるわ。食器(しょっき)も温かくなるのは、食品の熱がうつるからよ。
◇ののちゃん お母さんはとっくりの首の部分(ぶぶん)にアルミ箔(はく)を巻(ま)くんだよ。
◆先生 細くなっているところが温まりすぎないように、アルミ箔で調節(ちょうせつ)したのね。少しだけなら、工夫して使うことができるわ。
◇ののちゃん そういえば、カレーを温めた時に、ブクッと容器から飛び出したので、あわてて止めたら、まだぬるいところもあったんだ。部分的に温まったってことだね。
◆先生 油(あぶら)が混(ま)じっていると、油のところだけとても熱くなったりするなど、いろいろな食材が混ざっていると部分的に沸騰(ふっとう)することがあるのよ。だから、ゆっくり全体が温まるような機能(きのう)がついているレンジもあるわね。
(取材協力=東芝コンシューママーケティング、構成・瀬川茂子)
(朝日新聞社発行 3月26日付be)
◇調べてみよう
(1)水を入れた湯飲(ゆの)みと空(から)の湯飲みを同時に1分以内、温めてみよう。湯飲みが温かいのはどちらかな?
(2)氷だけを入れた湯飲みと氷と水を入れた湯飲みを電子レンジにかけてみよう。氷をつくる水の分子は振動(しんどう)しにくいことがわかるよ。