◇ののちゃん きのう、晩(ばん)ご飯(はん)にエビチャーハンを食べたよ。エビってピンク色で見た目もきれい。
◆藤原先生 そうね。だいたいのエビやカニはもともと赤い色を体の中に持(も)っているの。「アスタキサンチン」という色素(しきそ)の仲間(なかま)よ。
◇ののちゃん へええ。でも、きのうのエビ、食べる前に台所(だいどころ)で見たけど、生(なま)だと黒っぽかったよ。
◆先生 エビには硬(かた)い皮(かわ)があるよね。これは普通(ふつう)は甲羅(こうら)や殻(から)と呼ばれているけど、この中にある色素はふだん、たんぱく質(しつ)と結(むす)びついているの。そうすると、赤以外に青や緑、茶色など、いろんな色に見えるわ。黒く見えたのはそのせいね。
◇ののちゃん せんせー。たんぱく質って何だっけ?
◆先生 あなたの体をつくる、大事な栄養分(えいようぶん)よ。肉や魚、大豆(だいず)にもたくさん入っているわね。
◇ののちゃん 甲羅が黒とか青とかになったら、何の役に立つのかなあ?
◆先生 体を目立たない色に見せれば、海の中で魚などの敵(てき)から隠(かく)れるのに役に立つんじゃないかしら。逆(ぎゃく)に、エサにする生き物に、そおっと近づくこともできるわね。保護色(ほごしょく)っていうの。生きているときに赤いエビもいるけど、水の中では赤色も黒っぽく見えて、目立ちにくいの。
◇ののちゃん じゃあ、エビをゆでたり焼いたりして、料理(りょうり)すると赤くなるのはどうしてなの?
◆先生 簡単(かんたん)にいうと、熱(ねつ)すると、さっき説明した赤い色素とたんぱく質の結びつきが切れる、と考えられているのだそうよ。もともとエビが持っている色素の赤色がきれいに見えてくるの。甲羅と、甲羅の内側(うちがわ)のところもピンクに見えるわ。死んでしばらく時間がたったり、理科室にあるようにホルマリンという液体につけて標本(ひょうほん)にしたりしても、たんぱく質が変化(へんか)して赤くなるの。
◇ののちゃん へええ。
◆先生 エビは、藻(も)などがつくる赤い色素を食べて、甲羅にためている、と考えられるのだそうよ。ザリガニを飼(か)っているなら、赤い色素が無いサバの切り身などをエサに与(あた)え続(つづ)ければ、赤い色素が減(へ)って、甲羅が青く変わってくるそうよ。
◇ののちゃん 青いエビって、あまりおいしそうに見えないな。でも、赤色って、おいしいのかな?
◆先生 藻から取り出した赤い色素は、少し磯(いそ)の香(かお)りがするらしいわ。サケやイクラの色とも関係(かんけい)があるのよ。
◇ののちゃん イクラのおすしも、焼(や)きジャケも大好きだよ。
◆先生 やっぱり食べることしか興味(きょうみ)ないのね……。
(取材協力=国立科学博物館動物研究部・小松浩典さん、日本水産中央研究所主任研究員・塩谷格さん、富士化学工業、構成=小堀龍之)
(朝日新聞社発行 6月4日付be)
◇調べてみよう
(1)エビは「甲殻類(こうかくるい)」というグループに分けられるよ。ほかには、どんな仲間がいるかな。
(2)みんなが食べるエビは世界中(せかいじゅう)から輸入(ゆにゅう)されているよ。どんな国からエビが来るのか、調べてみよう。