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除湿剤(2段式)のしくみ |
◇ののちゃん 押(お)し入(い)れの中(なか)をのぞいたら、除湿剤(じょしつざい)の入れ物(もの)に水(みず)がいっぱい! びっくりしたよ。
藤原先生 除湿剤の下(した)の容器(ようき)に水がたまるタイプのものね。先生も家(いえ)で使(つか)っているけど、どのくらい湿気(しっけ)を吸(す)ったのか一目(ひとめ)でわかるから便利(べんり)よね。上下(じょうげ)2段式(だんしき)のタイプが普及(ふきゅう)したのは1980年代(ねんだい)。気密性(きみつせい)が高(たか)いマンションなどでは、梅雨(つゆ)の時期(じき)だけじゃなくて一年中(いちねんじゅう)使う人(ひと)も多(おお)いそうよ。
◇ののちゃん 容器にたまる水は、どこからきたのかな。
◆藤原先生 目には見(み)えなくても、部屋(へや)の中の空気(くうき)は水分(すいぶん)を含(ふく)んでいるの。上の段にある粒状(つぶじょう)のものが空気中の水分を集(あつ)めているのよ。
◇ののちゃん それって、どんなものなの?
◆先生 よく使われるのは「塩化(えんか)カルシウム」という物質(ぶっしつ)よ。自然界(しぜんかい)では海水(かいすい)に含まれてるの。豆腐(とうふ)をかたまらせる「にがり」の成分(せいぶん)の一(ひと)つで、雪国(ゆきぐに)では道路(どうろ)などの雪をとかす融雪剤(ゆうせつざい)としても使われているのよ。空気中の水分を自分(じぶん)の重(おも)さの2倍近(ばいちか)くも取(と)り込(こ)む性質(せいしつ)があるから、除湿剤としても使えるの。
◇ののちゃん すごいなぁ。でも、どうして水分が取り込まれるの?
◆先生 塩化カルシウムは、空気中の水分に触(ふ)れると、とけて水溶液(すいようえき)になろうとする性質があるの。これを「潮解(ちょうかい)現象(げんしょう)」というわ。除湿剤に使う塩化カルシウムは工場(こうじょう)でつくられたときから水を含んでるんだけど、空気中を漂(ただよ)う水の分子をさらにキャッチして、水分子が2倍、3倍と増(ふ)えていってベトベトの状態(じょうたい)になっていくの。そして、最後(さいご)には全部(ぜんぶ)とけて液体(えきたい)になっちゃうわ。つまり、容器にたまるのは水じゃなくて、塩化カルシウムの水溶液というわけ。
◇ののちゃん たまった液は、どうしたらいいの?
◆先生 使い終(お)わったら、容器の天井部分(てんじょうぶぶん)のシートを破(やぶ)って穴(あな)をあけて、中の水溶液は水と一緒(いっしょ)に排水口(はいすいこう)へ流(なが)してね。そのとき、液体が目に入らないように気を付(つ)けること。皮膚(ひふ)についた場合(ばあい)は、人によってはかぶれることもあるから、水で洗(あら)い流すといいわ。皮革製(ひかくせい)のベルトや財布(さいふ)とかにも、つかないようにしてね。それから、この液を植物(しょくぶつ)にかけると、枯(か)れちゃうそうよ。植木(うえき)にはかけないようにしましょうね。
◇ののちゃん 使い方にコツはあるの?
◆先生 押し入れの場合、物(もの)をたくさん詰(つ)め込みすぎると、物と壁(かべ)の間にすきまがなくなって、湿気がとどまりやすくなるの。そうすると、せっかく置(お)いた除湿剤のパワーが発揮(はっき)できないことがあるから、注意(ちゅうい)したいわね。
(取材協力=エステー化学・船橋一良さん、トクヤマ・車谷政昭さん、構成=山本智之)
(朝日新聞社発行 8月6日付be)
◇調べてみよう
(1)除湿剤に使われる物質には、塩化カルシウムのほかにもいろいろあるよ。本やインターネットなどを使って調(しら)べてみよう。
(2)季節(きせつ)や天気(てんき)によって、湿度(しつど)は変わる。いまは何パーセントかな。湿度計で調べてみよう。