◇ののちゃん 鳥取砂丘(とっとりさきゅう)の写真(しゃしん)をみたよ。砂漠(さばく)に行(い)ってみたいな。
◆藤原先生 鳥取砂丘は砂漠じゃないのよ。雨(あめ)や雪(ゆき)が降(ふ)る量(りょう)を降水量(こうすいりょう)というでしょう。鳥取砂丘の年間(ねんかん)の降水量は約(やく)2000ミリ。ふつう砂漠は200ミリ以下(いか)よ。鳥取砂丘は川(かわ)が運(はこ)んだ砂(すな)が海(うみ)にたまり、それが強(つよ)い波(なみ)で海岸(かいがん)に打(う)ち上(あ)げられて積(つ)もったものよ。風(かぜ)が砂を動(うご)かすので、植物(しょくぶつ)が根(ね)をはれず、砂漠のようにみえるだけなの。砂が動かなければ植物が育(そだ)つわ。
◇ののちゃん 雨の量で砂漠かどうかが決(き)まるの?
◆先生 砂漠は、乾燥(かんそう)していて植物が育たない所(ところ)をいうの。雨が降っても、どんどん蒸発(じょうはつ)すれば乾燥するでしょう。乾燥の度合(どあ)いは雨の量と地面(じめん)から失(うしな)われる水(みず)の量のバランスで決まるわ。だから、雨の量だけで砂漠かどうかが決まるわけではないの。「200ミリ以下」というのはだいたいの目安(めやす)よ。
◇ののちゃん どうして砂漠みたいな乾(かわ)いた場所(ばしょ)が地球(ちきゅう)にあるのかなぁ。
◆先生 砂漠のできかたは大(おお)ざっぱに四(よっ)つに分(わ)けて考(かんが)えることができるの。
◇ののちゃん ふーん。
◆先生 まず、「亜熱帯(あねったい)砂漠」。緯度(いど)が15〜30度ぐらいの亜熱帯にある砂漠よ。赤道(せきどう)近(ちか)くの熱帯では、強い日差(ひざ)しで温(あたた)められた空気(くうき)が軽(かる)くなって上昇(じょうしょう)するの。上昇すると冷(ひ)えて水蒸気(すいじょうき)が粒(つぶ)になって落(お)ちてくるわ。これが雨。雨が降ったあと、水分(すいぶん)を失って乾燥した空気が熱帯のお隣(となり)の亜熱帯に下(お)りてきて砂漠ができるの。アフリカのサハラ砂漠がそうよ。
◇ののちゃん 次(つぎ)は。
◆先生 南米(なんべい)チリのアタカマ砂漠やアフリカのナミブ砂漠みたいに、海岸の近くにある「海岸砂漠」よ。冷(つめ)たい海水(かいすい)(寒流(かんりゅう))が流(なが)れているところでは、その上(うえ)の空気も冷たくて上昇しないの。雨を降らせる空気の流れができにくいから、雨が降らずに砂漠ができるのよ。
◇ののちゃん なるほど。
◆先生 ユーラシア大陸(たいりく)の真(ま)ん中(なか)にあるタクラマカン砂漠は「内陸(ないりく)砂漠」と呼(よ)ばれるわ。雨になる水分は海からのものが多(おお)いの。海から遠(とお)いから乾燥して砂漠になりやすいのね。
◇ののちゃん そうかぁ。
◆先生 最後(さいご)が「雨陰(ういん)砂漠」ね。大きな山脈(さんみゃく)の風下側(かざしもがわ)にできる砂漠よ。水分を含(ふく)んだ空気は、山脈にぶつかって雨を降らせるでしょ。そのあと、山脈を越(こ)えた空気は乾いているわ。タクラマカン砂漠は南北(なんぼく)を山脈に囲(かこ)まれているから、雨陰砂漠でもあるわね。
◇ののちゃん 砂漠はみんな砂だらけなの。
◆先生 砂の砂漠は世界(せかい)の砂漠の5分(ぶん)の1。ほとんどは、岩石(がんせき)が地面に出(で)ている岩石砂漠なのよ。
(朝日新聞社発行 11月5日付be)
(取材協力=篠田雅人・鳥取大学乾燥地研究センター教授、構成=瀬川茂子)
◇調べてみよう
(1)イラストにある砂漠の年間降水量はどれくらいか調(しら)べてみよう。
(2)自分(じぶん)が住(す)んでいる地域(ちいき)の年間降水量はどれくらいかな。
(3)今年(ことし)は、国連(こくれん)の「砂漠と砂漠化に関(かん)する国際年(こくさいねん)」。どんなことが行(おこな)われたのか調べてみよう。