現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 桜もイチゴも、なぜバラ科?茨城県・土屋実千代さん(50)からの質問 2007年03月19日
◇ののちゃん お花見(はなみ)が楽(たの)しみだな。いろんな種類(しゅるい)のサクラを図鑑(ずかん)で下調(したしら)べしてたらね、不思議(ふしぎ)なことに気(き)づいたよ。 ◆藤原先生 何(なに)かしら? ◇ののちゃん サクラってバラ科(か)なんだって。サクラの花とバラの花って、全然(ぜんぜん)似(に)てないのに。変(へん)だなと思(おも)って、バラ科のほかのページもめくってみたら、「驚愕(きょうがく)の事実(じじつ)」が! ◆先生 どうしたの? ◇ののちゃん 私(わたし)の大好物(だいこうぶつ)のイチゴまで、バラ科に入(はい)ってるんだよ。イチゴって草(くさ)じゃん。サクラやバラは木(き)でしょ。全然違(ちが)うよ。 ◆先生 木か草かは、そんなに大(おお)きな違いじゃないわ。多(おお)くの草は、祖先(そせん)の木から進化(しんか)してきたの。だから植物(しょくぶつ)のいろんなグループが、木と草の両方(りょうほう)を含(ふく)んでる。木か草かは、グループ分(わ)けの目安(めやす)にならないの。 ◇ののちゃん 見(み)かけは大違いなのにね。 ◆先生 生物(せいぶつ)の体(からだ)には、変化(へんか)しやすい部分(ぶぶん)と、変化しにくい部分があるの。特(とく)に植物は自由(じゆう)に移動(いどう)できないので、その場(ば)の環境(かんきょう)に応(おう)じて柔軟(じゅうなん)に体の設計(せっけい)を変(か)えていくようね。 ◇ののちゃん へえー。 ◆先生 例(たと)えば、草食動物(そうしょくどうぶつ)から身(み)を守(まも)るトゲ。バラは茎(くき)の表皮(ひょうひ)からトゲをつくるし、カラタチやサボテンのは葉(は)から、クコやグミのは小枝(こえだ)からつくったトゲよ。 ◇ののちゃん 「変身(へんしん)の術(じゅつ)」みたい。正体(しょうたい)がわかりにくいね。 ◆先生 その中(なか)にあって、割(わり)と変わりにくい部分が「花」。動物もそうだけど、種(たね)や子(こ)どもをつくる部分は、子孫(しそん)が続(つづ)くかどうかに直結(ちょっけつ)するので、あまり急(きゅう)に大胆(だいたん)な「改造(かいぞう)」をするのはむずかしいようね。 ◇ののちゃん でも、サクラやイチゴと違ってバラは花びらがいっぱいあるよ。 ◆先生 人間(にんげん)が品種改良(ひんしゅかいりょう)を重(かさ)ねて花びらを増(ふ)やしたの。でも、野(の)バラ(ノイバラ)、ハマナスなど、野生(やせい)のバラの花びらは5枚(まい)よ。 ◇ののちゃん サクラにも八重咲(やえざ)きの品種があるけど、ふつうは5枚だね。 ◆先生 イチゴも5枚よ。 ◇ののちゃん でもさ、花びらが5枚の花は、ほかのグループにも多いよ。 ◆先生 もちろん、それだけでは分類(ぶんるい)できないわ。ほかにバラ科の特徴(とくちょう)は「おしべが多数(たすう)」「花びらが1枚1枚わかれている」などの点(てん)があるのよ。ただ、バラ科にも花びらが4枚の種(しゅ)があるわ。生物の世界(せかい)には例外(れいがい)がつきものなの。 ◇ののちゃん うーん困(こま)るね。「決(き)め手(て)」はないの? ◆先生 あるわ。生物の体内(たいない)には、体の設計図(ず)が書(か)き込(こ)まれたDNAという物質(ぶっしつ)があるの。その設計図のレベルまで戻(もど)って、よく似ている種どうしを同(おな)じグループにくくると、「見かけ」にだまされずにすむわ。 (取材協力=塚谷裕一・東京大教授、構成=武居克明)
(朝日新聞社発行 3月18日付be)
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