現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 私でも宇宙へ行ける日は?埼玉県・安野一徳さん(39)からの質問 2007年10月10日
◇ののちゃん 5人目(にんめ)の「宇宙旅行者(うちゅうりょこうしゃ)」が4月(がつ)に国際(こくさい)宇宙ステーション(ISS)に滞在(たいざい)してニュースになったね。 ◆藤原先生 そうね。ロシアのソユーズ宇宙船(せん)で、地球(ちきゅう)の周(まわ)りを回(まわ)っているISSに行(い)ったの。地球を眺(なが)めたり無重力(むじゅうりょく)を楽(たの)しんだりする旅行は、01年(ねん)に米国(べいこく)の企業(きぎょう)が始(はじ)めたわ。月(つき)の裏側(うらがわ)をぐるっと回って地球に帰(かえ)る旅行も計画(けいかく)されているわ。 ◇ののちゃん すごい! ◆先生 宇宙旅行は、昔(むかし)から夢見(ゆめみ)られてきたわ。ジュール・ベルヌの小説(しょうせつ)「月世界旅行(げっせかいりょこう)」(1865年)や、スタンリー・キューブリック監督(かんとく)の映画(えいが)「2001年宇宙の旅(たび)」(1968年)などが有名(ゆうめい)ね。でも、実現したといっても、月周回(しゅうかい)は120億円(おくえん)もするらしいわ。 ◇ののちゃん どうして? ◆先生 宇宙開発(かいはつ)は長(なが)い間(あいだ)、米国と旧(きゅう)ソ連(れん)の冷戦(れいせん)の中(なか)で進(すす)められてきたわ。ミサイルや監視衛星(かんしえいせい)といった軍事(ぐんじ)技術(ぎじゅつ)に直結(ちょっけつ)するし、月着陸(ちゃくりく)などは自国民(じこくみん)の気持(きも)ちを盛(も)り上(あ)げるから、多(おお)くのお金(かね)が使(つか)われてきたの。でも、90年代(ねんだい)に冷戦が終(お)わると宇宙開発は縮小(しゅくしょう)されたわ。ただ、民間(みんかん)企業が取(と)り組(く)むにはまだ荷(に)が重(おも)い。それで、いまはISSなど冷戦時代(じだい)の産物(さんぶつ)を使った旅行にとどまっているの。 ◇ののちゃん じゃあ、大人(おとな)になっても宇宙旅行は無理(むり)かな? ◆先生 ちょっとした「宇宙体験(たいけん)」はできるかも知(し)れないよ。小型(こがた)ロケットで高度(こうど)100キロを秒速(びょうそく)1キロで飛(と)ぶと、数分間(すうふんかん)無重力状態(じょうたい)が楽しめるの。窓(まど)からは丸(まる)い地球が見られるわ。04年に米国の企業が開発、実現のめどがついたの。一人(ひとり)2000万(せんまん)円ほどかかるけど、日本人(にほんじん)を含(ふく)めて、すでに予約(よやく)が入(はい)っているそうよ。 ◇ののちゃん 数分だけか。 ◆先生 地球を回る軌道(きどう)を旅行するのは、まだ難(むずか)しいわ。高度300キロに達(たっ)して地球をぐるぐる回るには、秒速8キロで飛ばなければならないの。機体(きたい)の大部分(だいぶぶん)に燃料(ねんりょう)を積(つ)み、帰るときに大気(たいき)との摩擦熱(まさつねつ)に耐(た)えられる作(つく)りにする必要(ひつよう)がある。旅客機(りょかくき)のような安全性(あんぜんせい)も求(もと)められるわ。 ◇ののちゃん そうなると、とても高(たか)くなるね。 ◆先生 日本ロケット協会(きょうかい)は、90年代から全長(ぜんちょう)22メートルのロケットを研究(けんきゅう)している。「観光(かんこう)丸(まる)」といって、一度(いちど)に50人のお客(きゃく)を乗(の)せて高度200キロまで上昇(じょうしょう)し、3時間(じかん)で地球を2周する計画なんだ。切符(きっぷ)は1枚(まい)295万円で、年に70万人の利用(りよう)が見込(みこ)めて、商売(しょうばい)が成(な)り立(た)つと試算(しさん)したわ。まだ課題(かだい)は多いけど、いまあるものより格段(かくだん)に軽(かる)くて丈夫(じょうぶ)な新素材(しんそざい)やいいエンジンができれば、実現に近(ちか)づくわ。 (取材協力=宇宙航空研究開発機構・稲谷芳文教授、構成=高山裕喜)
(朝日新聞社発行 10月7日付be)
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