現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 鉄はなぜさびる?2008年01月23日
◇ののちゃん 校庭(こうてい)の鉄棒(てつぼう)で遊(あそ)んだら、手(て)のひらが茶色(ちゃいろ)っぽくなっちゃった。 ◆藤原先生 あらあら。鉄棒のさびが手についたのね。 ◇ののちゃん どうして鉄はさびちゃうの? ◆先生 空気中(くうきちゅう)の酸素(さんそ)や水分(すいぶん)と結(むす)びついて変質(へんしつ)するからよ。できたての鉄はぴかぴかでじょうぶだけど、さびるにつれて赤(あか)っぽくぼろぼろになっちゃうわ。包丁(ほうちょう)が切(き)れなくなったり屋根(やね)に穴(あな)があいたり、鉄がさびるといろいろ困(こま)ったことになるの。 ◇ののちゃん お母(かあ)さんの指輪(ゆびわ)はさびてないよ。 ◆先生 金(きん)や白金(はっきん)(プラチナ)は変質しにくいから、ずっと美(うつく)しく輝(かがや)いていられるの。でも、銅(どう)やアルミなど多(おお)くの金属(きんぞく)がさびるわ。赤や黒(くろ)、青緑(あおみどり)、褐色(かっしょく)など、いろんな色があるのよ。 ◇ののちゃん どうすれば、さびるのを防(ふせ)げるの? ◆先生 金属が空気や水に触(ふ)れないようにすればいいわ。ペンキを塗(ぬ)るとか、さびにくい別(べつ)の金属で表面(ひょうめん)を覆(おお)う「めっき」などの方法(ほうほう)があるのよ。屋根などに使(つか)われるトタンは、鉄に亜鉛(あえん)をめっきしたものだわ。 ◇ののちゃん ペンキを塗っても時間(じかん)がたつとはげちゃうよ。お父(とう)さんがベランダの手すりをときどき塗り直(なお)してるもん。 ◆先生 鉄そのものをさびにくくする方法もあるわ。ステンレスって聞(き)いたことない? ◇ののちゃん 知(し)ってるよ。スプーンやフォークによく使われてるやつでしょ。 ◆先生 台所(だいどころ)の流(なが)しもステンレスでできたものが多いわね。ステンレスは英語(えいご)で「さびない」という意味(いみ)なの。100年(ねん)ほど前(まえ)に発明(はつめい)されたのよ。鉄にクロムという金属を1〜2割(わり)くらい混(ま)ぜてあるの。加工(かこう)しやすくしたり、よりじょうぶにしたりするために、クロムのほかにニッケルやモリブデンなどの金属を加(くわ)えることもあるそうよ。 ◇ののちゃん クロムを混ぜるとどうしてさびないの? ◆先生 クロムが空気中の水や酸素と結びついて、ステンレスの表面に膜(まく)ができるの。とてもじょうぶな膜だから、水も空気も通(とお)さないんだって。 ◇ののちゃん でも、スプーンには膜なんてないよ。 ◆先生 膜は厚(あつ)みが1ミリの100万分の1くらいしかないの。あまりに薄(うす)すぎて、目(め)で見(み)てもわからないわ。 ◇ののちゃん ステンレスの製品(せいひん)に傷(きず)をつけたら、膜はこわれちゃうのかな。 ◆先生 ええ。でも、1日(にち)もすれば、また新(あたら)しい膜が自然(しぜん)にできるんだって。とくに手入(てい)れをしなくても、さびないようなしくみになっているのよ。 ◇ののちゃん さびないなんてすごいね。 ◆先生 塩分(えんぶん)は苦手(にがて)なの。塩分がつくと表面の膜がこわれ、新しい膜もできにくくなってしまうそうよ。しょうゆや塩(しお)、食(た)べものなどがついたままにせず、台所や食器(しょっき)をいつも清潔(せいけつ)にしておくことが大切(たいせつ)ね。 ◇ののちゃん ふうん。お母さんに教(おし)えてあげよっと。 ◆先生 台所のお掃除(そうじ)はけっこうたいへんだから、ののちゃんも手伝(てつだ)ってあげてね。 (取材協力=辻川茂男・東大名誉教授、腐食防食協会腐食センター長・遅沢浩一郎さん、ステンレス協会、構成=谷口哲雄)
(朝日新聞社発行 1月20日付be)
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