現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 虫歯の虫ってどんな虫?奈良県・秋田優子さん(31)からの質問
◇ののちゃん 歯(は)がしみるなあと思(おも)っていたら穴(あな)が開(あ)いてたよ。虫歯(むしば)みたい。 ◆藤原先生 ちょっと見(み)せて。そんなに大(おお)きくないからまだ治(なお)しやすそうね。昔(むかし)の人は虫が歯を食(た)べちゃうと考(かんが)えていたから虫歯って呼(よ)ぶけど、本当(ほんとう)の犯人(はんにん)は虫じゃないのよ。 ◇ののちゃん じゃあ、どうやって穴が開いちゃうの。 ◆先生 原因(げんいん)のほとんどは、「ミュータンスレンサ球菌(きゅうきん)」という名前(なまえ)の細菌(さいきん)なんだって。この菌はとても小(ちい)さくて、長(なが)さが1ミリの1000分(せんぶん)の1ほどだから顕微鏡(けんびきょう)でないと見えないわ。 ◇ののちゃん そんな小さい菌がどうやって大きな穴を開けるの。 ◆先生 この菌は砂糖(さとう)が大好(だいす)きで、砂糖を分解(ぶんかい)して酸(さん)を作(つく)り出すの。この酸が歯をとかして穴があくのよ。この菌はもう一つやっかいなことがあってね、砂糖からねばねばした液(えき)も作るの。それでプラークという菌のかたまりをつくって歯にくっつき、歯の一部(いちぶ)を集中的(しゅうちゅうてき)に攻撃(こうげき)するから穴を開けやすいの。ねばねばは唾液(だえき)でも流(なが)されにくいからね。 ◇ののちゃん 虫歯の治療(ちりょう)は痛いからなるべく行(い)きたくないよ。どうやったらならないように出来(でき)るの。 ◆先生 まずはちゃんと歯みがきすることが第(だい)一ね。そうすればプラークを落(お)とすことができる。フッ素入(そい)りの歯みがきを使(つか)うといいらしいわ。フッ素は歯を丈夫(じょうぶ)にしてくれるから。そしておやつの食(た)べ方(かた)も大事(だいじ)。だらだら食べるのは良(よ)くないよ。おやつの回数(かいすう)と虫歯の数(かず)は比例(ひれい)するんだって。 ◇ののちゃん へぇー甘(あま)いおやつは気(き)をつけないといけないね。でもそんな小さな細菌、よく見つけたね。 ◆先生 100年以上(ねんいじょう)も前(まえ)から歯の表面(ひょうめん)で細菌がうようよしているのは顕微鏡で見つかっていたの。でも口(くち)の中(なか)には何百種類(なんびゃくしゅるい)も菌がいるから、どの菌が犯人なのかはっきりしたのは40年ほど前らしいよ。 ◇ののちゃん その菌はどこから口の中にやってくるの。 ◆先生 みんな生(う)まれた時(とき)は菌を持(も)っていないけど、お母(かあ)さんからうつることが多(おお)いと考(かんが)えられているの。赤(あか)ちゃんの時(とき)に口移(うつ)しで食べ物(もの)をあげたりするとよくないのよ。菌をうつさないようにして、さらに歯みがきなどで予防(よぼう)に気をつけて3歳(さい)まで虫歯をゼロにしたら、一生(いっしょう)ずっと虫歯なしで過(す)ごせる可能性(かのうせい)が高(たか)いんだって。 ◇ののちゃん お母さんが子(こ)どものころは、もっと虫歯が多かったっていってたよ。 ◆先生 菌の正体(しょうたい)がはっきりわかってみんなが予防に取(と)り組(く)みはじめたから、虫歯は減(へ)っているようね。12歳で30年ほど前は平均(へいきん)5本以上虫歯があったのが、今(いま)は2本以下になっているの。 ◇ののちゃん 昔の人も、虫歯があったのかなあ。 ◆先生 200年ほど前のヨーロッパの女王(じょおう)さまも虫歯で困(こま)ってたそうよ。砂糖をたくさん食べるぜいたくな暮(く)らしで虫歯になったみたいね。人間(にんげん)と同(おな)じように甘い物(もの)を食べるペットにも虫歯は出来るわ。 (取材協力=大嶋隆・大阪大学歯学部付属病院小児歯科教授、構成=添田孝史)
(朝日新聞社発行 3月9日付be)
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