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NIE「ののちゃんのDO科学」

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電気は家に届くまでに減っちゃうの?

横浜市・山本まるかさん(小6)からの質問

図  

 ◇ののちゃん 電気(でんき)が発電所(はつでんしょ)からおうちに届(とど)くまでに、だんだん減(へ)っちゃうって聞(き)いたよ。どこにいっちゃうの?

 ◆藤原先生 その前(まえ)に、発電にはいろんな方法(ほうほう)があることは知(し)ってるわよね。最近(さいきん)は太陽光発電(たいようこうはつでん)をする家(いえ)も増(ふ)えているけれど、発電所では、蒸気(じょうき)や水(みず)、風(かぜ)の力(ちから)で発電機(はつでんき)を回(まわ)して電気をつくっているわ。

 ◇ののちゃん 火力(かりょく)と水力(すいりょく)、風力(ふうりょく)、あとは、えーっと……。

 ◆先生 原子力(げんしりょく)よ。

 ◇ののちゃん あ、そっか。発電所からおうちに届くまで、どのくらいの電気が減るの?

 ◆先生 首都圏(しゅとけん)には、福島県(ふくしまけん)や新潟県(にいがたけん)の原子力発電所からも電気が送(おく)られてくるわ。電線(でんせん)の長(なが)さは300キロにもなるの。こうした遠(とお)くの発電所から、ののちゃんのおうちに電気が届くまでに4.8%くらい減るわ。60年(ねん)くらい前(まえ)には24%もの電気が途中(とちゅう)で消(き)えていたそうよ。

 ◇ののちゃん うわ、もったいない。使(つか)ってもいない電気がなくなっちゃうなんて。

 ◆先生 ふつうの電線には、電気の流(なが)れをじゃまする電気抵抗(でんきていこう)という性質(せいしつ)があるの。電気の流れがじゃまされると、電気のエネルギーが熱(ねつ)のエネルギーに変わるから、電気が減ってしまうというわけね。

 ◇ののちゃん じゃあ、電気抵抗をどうにかすれば電気が減らないってこと?

 ◆先生 そうよ。電圧(でんあつ)を高(たか)くしたり電線を太(ふと)くしたり、電気抵抗を小(ちい)さくするためのいろんな工夫(くふう)で、できるだけ電気が減らないようにしているの。

 ◇ののちゃん むむむ。ちょっと難(むずか)しくなってきた。

 ◆先生 水道管(すいどうかん)に水を流すことを想像(そうぞう)してごらん。水を送り出(だ)すポンプの力(ちから)が強(つよ)いほど、水の流れが勢(いきお)いよくなるわよね。電気の場合(ばあい)も、電流の大きさが変わらなければ50万(まん)ボルトとか、ものすごい電圧をかけて送り出す方が効率(こうりつ)いいの。また、太い水道管ほどたくさんの水が流せるのと同じで、電線が太いほど電気をたくさん流せるわ。発電所からは、太さ4センチくらいの電線をたくさん使って一度(いちど)に電気を送り出してるの。

 ◇ののちゃん おうちのそばの電線はそんなに太くないよ。

 ◆先生 おうちのそばの電線は太さが2センチほどしかなくて、電圧も100ボルトよ。電線が細(ほそ)くて電圧が低(ひく)いから、送電の途中で電気が失(うしな)われやすいの。たった数(すう)キロの距離(きょり)でも、太い送電線(そうでんせん)を何百(なんびゃく)キロも通(とお)ってくる間(あいだ)に減るのと同じくらいの電気がなくなっちゃうんだって。

 ◇ののちゃん 途中でなくなる電気をゼロにできないの?

 ◆先生 超伝導(ちょうでんどう)って聞いたことあるかしら? ある種の物質(ぶっしつ)を冷(ひ)やすと、電気抵抗がなくなる不思議(ふしぎ)な現象(げんしょう)よ。もし送電線の電気抵抗をゼロにすることができれば、送電の途中で電気が失われるのを防(ふせ)げるわ。開発(かいはつ)が進(すす)められているから、近(ちか)い将来(しょうらい)、超伝導の電線が使われるようになって、送電の途中で電気が失われなくなるかもよ。

 ◇ののちゃん すごい! SF(えすえふ)映画(えいが)みたい。

 ◆先生 せっかく発電した電気をムダにしないための工夫は、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)の防止(ぼうし)にもつながるのよ。

(取材協力=中澤太郎・東京電力技術部電力システム計画グループマネージャー、構成=坪谷英紀)

(朝日新聞社発行 4月6日付be)


◇調べてみよう

(1)水力(すいりょく)、火力(かりょく)、原子力(げんしりょく)の発電(はつでん)の割合(わりあい)はどのくらいかな。
(2)地球温暖化(ちきゅうおんだんか)につながる二酸化炭素(にさんかたんそ)を多(おお)く出(だ)すのはどの発電かな?
(3)電気(でんき)を熱(ねつ)に変(か)える電化製品(でんかせいひん)はどんなものがあるか調(しら)べてみよう。

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