現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 3Dメガネでなぜ絵が飛び出すの?神奈川県・戸田有菜さん(小6)からの質問
◇ののちゃん 遊園地(ゆうえんち)に行(い)ってきたよ。「3Dメガネ」っていうのをかけてスクリーンをみると、絵(え)が飛(と)び出(だ)してきたよ。 ◆藤原先生 メガネをかけずにスクリーンを見(み)ると、どうだったかしら。 ◇ののちゃん メガネをかけるまで何(なに)かよく見えなかったの。 ◆先生 それは立体映像(りったいえいぞう)っていう特別(とくべつ)な映像よ。普通(ふつう)は、上下左右(じょうげさゆう)の平面(へいめん)(2次元(じげん))しか表(あらわ)していないけれど、立体映像は奥行(おくゆ)きを加(くわ)えた3次元(3D)の空間(くうかん)を表現(ひょうげん)しているのよ。 ◇ののちゃん どうして飛び出してきたのかな。 ◆先生 まず、いつもはどうやって立体的(てき)にものを見ているのか考(かんが)えてみるわね。右(みぎ)手(て)の人(ひと)さし指(ゆび)を顔(かお)のすぐ前(まえ)、左(ひだり)手の人さし指を離(はな)して前後(ぜんご)に重なるようにたててごらん。 ◇ののちゃん 右が前で左が奥に見えるなんて当(あ)たり前だよ。 ◆先生 じゃあ、右目と左目を交互(こうご)に閉(と)じてみて。目は6〜7センチ離(はな)れているから右左の目でちょっとだけ違(ちが)って見えるはずよ。閉じる目を変(か)えると、二(ふた)つの人さし指が、位置(いち)の違(ちが)うところに見えるよね。 ◇ののちゃん あっ、本当(ほんとう)だ。 ◆先生 この見え方(かた)の違いが両眼視差(りょうがんしさ)といって、立体的にものが見える決(き)め手よ。私(わたし)たちの左右(さゆう)の目は微妙(びみょう)に違うものを見ているの。目で見た二つの映像の信号(しんごう)が脳(のう)に送られると、脳の中で自動的(じどうてき)に分析(ぶんせき)されて一(ひと)つの映像として見えるのだけど、そのときに奥行(おくゆ)きの情報(じょうほう)も頭の中に入(はい)ってきて、立体的になるの。 ◇ののちゃん じゃあ、メガネが左右の目に見える映像を変(か)えて、奥行きが出たのかな? ◆先生 その通(とお)りよ。例えば左右に赤(あか)と青(あお)の色(いろ)が別々(べつべつ)についたメガネを使(つか)う立体映像があるわ。これはアナグリフ方式(ほうしき)といって、赤と青が横(よこ)にずれた映像を使うの。映像の青色は青のメガネを通せば消(き)えて、赤色は赤いメガネを通すと消えちゃうの。赤青がずれた映像もメガネをかけると左右の目で違う映像を見ていることになって、飛び出すの。 ◇ののちゃん 私がかけたメガネは赤青でなく灰(はい)色だったよ。 ◆先生 それは偏光(へんこう)メガネね。アナグリフ方式は手軽(てがる)だけど、赤や青のメガネを通すから、色が表せなくなってしまうの。だから、決(き)まった方向(ほうこう)だけに振動(しんどう)している偏光という光だけを通すフィルターをメガネにはって映像を変えることも多(おお)いわ。暗(くら)いけど、色はばっちりよ。 ◇ののちゃん メガネをかけずに立体映像が見られないかな。 ◆先生 右目用(よう)と左目用の絵(え)を交互に並(なら)べた上(うえ)に、細(ほそ)くて小(ちい)さいかまぼこのような凸(とつ)レンズをたくさん並べるレンチキュラー方式があるわ。レンズを通すことで右目には右目用の絵、左目には左目用の絵が見えるの。ざらざらしたシールやカードに多いわね。 ◇ののちゃん どこかで見たことあったかな。 ◆先生 電車(でんしゃ)の車内広告(しゃないこうこく)で見なかったかしら。メガネをかけずに立体的に見える方法はほかにもいくつかあるわ。でも、たくさんの人が同時に体験できる立体映像はまだ多くはないのよ。 (取材協力=柴田隆史さん・早稲田大学大学院国際情報通信研究科の日本学術振興会特別研究員、構成=長崎緑子)
(朝日新聞社発行 5月4日付be)
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