現在位置:asahi.com>教育>NIE>ののちゃんのDO科学> 記事 ![]() 魚のうろこは何のためにある?埼玉県・松尾勝(まつおまさる)さん(66)からの質問 ◇ののちゃん ゆうべ、お母(かあ)さんが台所(だいどころ)でお魚(さかな)のうろこを落(お)としてた。触(さわ)ってみるとプラスチックみたいで固(かた)かったよ。 藤原先生 魚のうろこは、骨(ほね)とおなじように、おもにリン酸(さん)カルシウムでできているの。ヘビやワニのような爬虫類(はちゅうるい)もうろこをもっているけれど、あれは皮膚(ひふ)の表面(ひょうめん)が硬(かた)く変化(へんか)したもので、魚のうろことはタイプがちがっているわ。 ◇ののちゃん でも、ぬるぬるしてるウナギは、うろこをもっていないでしょ。 ◆藤原先生 小(ちい)さくて見(み)えにくいけれど、ウナギにもうろこがあるのよ。サメやエイもないように見(み)えるけど、顕微鏡(けんびきょう)で見ると数(すう)ミリのうろこが並(なら)んでいるわ。うろこをもっていないのは、ヤツメウナギのような円口類(えんこうるい)とよばれる魚やマンボウくらいよ。 ◇ののちゃん へえ、そうなんだあ。うろこの形(かたち)はどの魚も同(おな)じなの? ◆先生 5種類(しゅるい)あって、いちばんめだつのが円鱗(えんりん)と櫛鱗(しつりん)よ。円鱗はコイやサケのようなうろこで、何枚(なんまい)も重(かさ)なっていて、外側(そとがわ)に出(で)ている部分(ぶぶん)が丸(まる)くなっているものよ。ウナギも円鱗なの。櫛鱗は外側(そとがわ)がギザギザになっているの。スズキのように、ひれがとがっている魚によくみられるわ。カレイのなかまは両方(りょうほう)のうろこをもっているそうよ。 ◇ののちゃん たしかに形がちがうね。あとの3種類は? ◆先生 チョウザメなどがもつ硬鱗(こうりん)、シーラカンスや肺魚(はいぎょ)がもつコズミン鱗、サメやエイのような軟骨魚類(なんこつぎょるい)の楯鱗(じゅんりん)ね。楯鱗はざらざらした「サメ肌(はだ)」のもとになっているの。 ◇ののちゃん うろこって何のためにあるんだろう? ◆先生 まずは、病原体(びょうげんたい)や外敵(がいてき)から体(からだ)をまもるよろいの役目(やくめ)があるわね。危険(きけん)を感(かん)じると体をふくらませ、たくさんのとげを立(た)てるハリセンボンって魚を知(し)ってる? あのとげは、うろこが変化したものなのよ。 ◇ののちゃん とげの形をしたうろこなんてすごい! ◆先生 うろこには、カルシウムなどのミネラルをためておく役目もあるわ。血液中(けつえきちゅう)のカルシウムが少(すく)なくなると、うろこからカルシウムが補給(ほきゅう)されるの。ほかに、水圧(すいあつ)や水(みず)の振動(しんどう)を感じるセンサーでもあるのよ。体の両側(りょうがわ)には頭(あたま)から尾(お)にかけて側線(そくせん)があって、そこに並んでいるうろこには穴(あな)があいているの。魚は側線をつうじて水圧や水の振動を感じて、自分(じぶん)の位置(いち)や外敵(がいてき)の動きをつかんでいるそうよ。 ◇ののちゃん うろこって、いろんな仕事をしてるんだね。 ◆先生 まだまだあるわよ。サメのうろこは尾の方(ほう)を向(む)いて並んでいて、水の抵抗(ていこう)を少なくするはたらきがあるの。水泳選手(すいえいせんしゅ)の水着(みずぎ)の中(なか)には、サメのうろこを参考(さんこう)にしてつくったものもあるわ。季節(きせつ)がはっきりしたところに住む魚のうろこには、季節ごとの成長(せいちょう)のちがいでできる隆起線(りゅうきせん)があって、線の数(かず)から年齢(ねんれい)を推定(すいてい)することもできるわ。 ◇ののちゃん 木(き)の年輪(ねんりん)みたいね。でも、そんなに役立(やくだ)つものなのに、なぜ人間(にんげん)はうろこをもっていないの? ◆先生 水の中で生活(せいかつ)していないから必要(ひつよう)ないのかもしれないわね。でも、本当(ほんとう)の理由(りゆう)はよくわかっていないそうよ。 (取材協力=吉冨友恭・東京学芸大准教授、構成=本多昭彦)
(朝日新聞社発行 5月11日付be)
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