1.「月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実があきらかになった」。ハードSFの新星ジェイムズ・P・ホーガンの話題の出世作『星を継ぐもの』(創元SF文庫)です。SFの世界だけでなく宇宙ははてしなく広がり、魅力と不思議がいっぱいですね。今回は宇宙のロマンを求めて「人工衛星」から「2005年宇宙の旅」にでましょう。
2.ワークシートのポイント
(1)人工衛星の種類としくみ
人工衛星は、地球の引力とつりあうスピードで回っています。空を飛んでいる人工衛星が同じ場所の画像を写せるかといえば、静止軌道を回っているからです。赤道上空の高度3万6000キロメートルの円軌道を回るのは、気象衛星や通信衛星、放送衛星などです。地球の自転と同じ24時間で一周します。
人工衛星は、軽くて強くてくさりにくいという三拍子揃った「アルミニウム合金・ステンレス鋼(こう)・チタン合金」などで作られています。それぞれの衛星はそれぞれに目的をもっており、その目的を果たすことができるような仕組みになっています。気象衛星なら「観測器」を装備しているわけですね。人工衛星の種類もたくさんありますから調べてみましょう。
横浜こども科学館 人工衛星情報 http://astro.ysc.go.jp/satellite2.html
JSTバーチャル科学館 http://jvsc.jst.go.jp/
(2)人工衛星の生活とのかかわり
「宇宙船地球号」という表現もされますが、地球レベルで地球環境の変化を予測しようという「全地球観測システム」もできる予定です。こうしている今も、地球の環境破壊や異常気象の原因究明や状況把握にも人工衛星は大きな働きをしています。
地球の反対側と国と通信できるのはなぜでしょう。静止軌道上に衛星を3機同じ間隔で配置すると地球のどこからでも通信ができます。通信衛星は世界の国と国をむすぶ国際通信に利用されていますね。人工衛星はわたしたちの生活ととても密接な関係があります。
毎日情報として伝えられている天気予報も「気象衛星」からの映像がないことは考えられませんね。
人工衛星とわたしたちの生活のかかわりについてくわしく調べてみましょう。
http://www.universe-s.com/junior/
(3)宇宙の仕事をしている人々
野口聡一さんの宇宙での活躍すばらしかったですね。宇宙飛行士として訓練を受けているかたもいますが、宇宙に関係する仕事をしている人たちはたくさんいます。
2月26日、種子島宇宙センターから、運輸多目的衛星MTSAT−1Rを搭載したH2Aロケット7号機が打ちあがりました。宇宙科学研究本部のHPには、宇宙科学に関する現場の声も紹介されています。
http://www.isas.jaxa.jp/j/index.shtml
宇宙開発の歴史についても調べてみましょう。
『プラネタリウムを作りました。7畳間で生まれた410万の星』(エクスナレッジ刊)という本を著した大平貴之さんはプラネタリウムクリエーターとして活動を続けておられますね。東京・お台場の日本科学未来館でメガスターという世界最高性能のプラネタリウムをみたことがある人もいるのではないでしょうか。メガスターを個人の趣味として作った方です。
(4)最新の宇宙のニュース
8月26日、宇宙航空研究開発機構は7月に打ち上げたX線天文衛星「すざく」の硬X線検出器(HXD)が、ブラックホール周辺の高エネルギーX線やガンマ線の観測を開始したと発表しました。8月24日にはカザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた2つの衛星の打ち上げが成功し、「きらり」と「れいめい」と命名されました。
宇宙に関する研究も日々進んでいます。宇宙に関するニュースについて情報収集しましょう。
9月12日の「宇宙の日」9月20日の「空の日」は楽しみですね。
この時期に国立科学博物館(東京・上野)、未来科学技術情報館(同・新宿)、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)などで開催されるイベントに参加してみてはどうでしょう。
3.発展学習として
「たいせつなことはね、目に見えないんだよ」サンテグジュペリの『星の王子さま』はいろいろなことを深く考えさせられる素敵な本です。宇宙に関する本を読んでみませんか。
『はじめての天文学』(半田利弘 誠文堂新光社)
『宇宙300の大疑問 何から何まで、だれもが知りたい宇宙の謎』(ステン・F・オデンワルド講談社ブルーバックス)
『宇宙100の大誤解 言われてみれば間違いだらけ』(ニール・カミンズ 同)
『宇宙の素顔 すべてを支配する法則を求めて』(マーティン・リース 同)
『太陽系シミュレーター』(講談社ブルーバックスCD−ROM)は「太陽系宇宙を思いのままに操作」することができます。
9月18日にお月見イベントを開催する日本科学未来館をはじめ、横浜こども科学館(横浜市磯子区)、三菱みなとみらい技術館(横浜市西区みなとみらい)などで科学技術に触れましょう。
「宇宙の旅」はまだまだ続きます。
(大阪市立天王寺中学校・植田 恭子)