1.日本にもあったイカ墨料理
イカの墨を使った料理には、イタリア料理のイカ墨スパゲティやスペイン料理のイカ墨パエリアなどが知られています。沖縄料理にもイカ墨汁があります。イカ墨のソフトクリームやそば、塩辛もありますね。
イカには、乾燥したり、燻製にしたり、油で揚げたりと、たくさんの加工品があります。今回は私たちの食卓にのぼっているのに、あまり知られていないイカやタコの意外な姿に迫ってみましょう。
2.ワークシートのポイント
(1)イカとタコの違い
イカとタコの腕(足)の本数で区別できます。「イカは10本、タコは8本」ですね。その違いは、イカは獲物を捕らえるときに伸ばす触腕(しょくわん)を一対(いっつい)持っていることから、イカの腕(足)はタコより2本多いことになるわけです。専門家は足の数だけではなく、吸盤(きゅうばん)のしくみの違いでイカとタコを区別するということです。
なお、イカやタコは、頭に足が直接ついていることから頭足類とよばれますが、軟体動物という点では貝と同じ仲間です。
(参考)『イカ・タコ観察事典』小田英智 偕成社(1998)
(参考)『イカ・タコガイドブック』土屋光太郎 TBSブリタニカ(2002)
(2)イカの種類
図書室や図書館を活用して、世界のイカの種類を調べてみましょう。日本の近海のイカと、どのような違いがあるのでしょうか。「全国いか加工業協同組合」のホームページも参考にしてみましょう。
「原色世界イカ類図鑑」
http://www.zen-ika.com/zukan/index.html
「イカ学のススメ」
http://www.zen-ika.com/o-susume2.html
(3)イカの体のしくみ
イカを調理する前に、家の人と一緒に詳しく調べてみましょう。調理用のハサミで外套(がいとう)の部分を縦に切り開くだけで内部をよく観察できます。イカ墨が入っている墨袋も黒くはっきりとわかります。図鑑を用意してさっそくはじめましょう。(1)で紹介した『イカ・タコ観察事典』『イカ・タコガイドブック』には、イカの解剖図も載っています。
(4)イカ墨料理
イカ墨を使った料理は、スパゲティばかりではありません。世界にはいろいろなイカ墨料理があります。イカ墨を使った料理に向いているのは、どのような種類のイカでしょうか。イカ墨料理のレシピなども調べてみましょう。レトルト食品や缶詰になったイカ墨も販売されていますから、ぜひ一度、イカ墨料理に挑戦してみてはどうでしょう。
3.発展学習として
「空飛ぶイカ」がいるそうです。「本当かな?」と疑問に思った人は、次の本を参考にして探してみましょう。
『イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門』奥谷喬司 講談社・ブルーバック(1989)
(藤沢市立大庭中学校・有馬 進一)