1.アリが行列を組んで歩いている様子は、私たちの身近でよく目にします。アリは、ものがよく見えません。それなのに、ひとたびえさをみつけると仲間のアリがおしよせてくるのですから、不思議がいっぱいですね。今回はアリについてDO科学しましょう。
2.ワークシートのポイント
(1)アリの特徴について調べてみよう
アリは昆虫綱・膜翅(まくし)目・アリ科に属する昆虫を指します。女王アリを働きアリが世話をして、大きな群れを作っています。ある意味とても社会性のある昆虫ですね。日本産アリ類画像データベースhttp://ant.edb.miyakyo-u.ac.jp/J/index.htmlはとても参考になります。
(2)アリ同士の見分け方やアリの種類を調べてみよう
『歌う生物学 必修編』(本川達雄・阪急コミュニケーションズ)では「こっつんこ 触れて味わい こんにちは! アリの言葉は 化学物質」と歌われています。
「こっつんこ」は相手の「味」を調べ、同じ巣の仲間かどうか確かめている行為なのです。筆者の本川さんによると、アリは体の表面に不揮発生の化学物質(接触フェロモン)があり、巣が違うと化学物質が微妙に異なるため仲間の識別ができるそうです。アリは日本に200〜300種いるそうですから、仲間を見分ける「こっつんこ」はとても大切ですね。
どんなアリがあなたのまわりにいるでしょうか。じっくり観察してみましょう。
(3)アリに似た生き物について調べよう
アリはか弱い存在? いいえ、その反対です。小さいですが、活発で攻撃力もあり、集団で行動していますから、他の昆虫にとってはむしろ恐ろしい存在であるといえます。
アリの姿でいることで、攻撃から身を守ることができるようです。『昆虫の擬態』(海野和男・平凡社ライブラリー)の「アリ志向」の章では、「どうやらアリは自然界の嫌われ者らしい」としてアリそっくりの姿のキリギリスやカマキリの一種などが紹介されています。
(4)アリが登場する物語を読んでみよう
アリが主人公になっているお話もたくさんあります。アニメ映画「バグズ・ライフ」はアリが主人公です。「アリとキリギリス」もみんながよく知っているお話ですね。内田麟太郎さんの『ごめんね ともだち』(降矢なな 絵・偕成社)という絵本では、キツネの涙がアリの上に落ちて……。けんかしていたオオカミとキツネが仲直り。小さなアリですが、存在感はなかなかのものです。いろいろな物語の中で小さなアリがどのように描かれているか調べてみるのも面白いでしょう。
3.発展学習として
世界的に有名な黒澤明監督の「八月の狂詩曲」という長崎の原爆をテーマにした映画を知っていますか。アリの行列が出てきます。京都工芸繊維大学の山岡亮平教授が人工的に作りました。道しるべフェロモンと呼ぶ科学物質を使っているのだそうです。言葉と同じ役割を果たしているといわれるフェロモンについて調べてみましょう。
伊丹市昆虫館 http://www.itakon.com/
橿原市昆虫館 http://www.city.kashihara.nara.jp/insect/などあなたのまちの昆虫館で昆虫のふしぎを発見してみてはどうでしょう。
(大阪市立天王寺中学校・植田 恭子)