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鉄はなぜさびる?

2008年01月23日

1.鉄はなぜさびる?

 物質がゆっくりと酸素と結びつく化学反応を酸化といいます。今回のテーマである「さび」は、鉄の酸化にともなってできたものであり、このときに発生する熱を上手に利用した商品が使い捨てのカイロです。なお、酸素と結びつく急激な反応が、燃焼です。

 ところで、私たちも呼吸することで体内に取り入れた栄養素を酸化させたりしています。そう考えると、体がさびていくようでなんだか変な気分になります。また、私たちの体には微量の鉄が必要で、様々なはたらきをしていることがわかっています。今回は、身近な鉄をテーマに、ちょっとした観察や実験をしてみましょう。

2.学習のポイント

(1)鉄はどのような金属なのか

 鉄は私たちの身の回りにあるありふれた金属ですが、それは見方を変えると、鉄なしでは今日の生活が成り立たないことを意味しています。とは言え、日本では弥生時代から鉄の文化が始まり、鉄とのつきあいは約2000年にもなります。それでは、鉄がどのような特性をもった金属であるのか、知ることから始めましょう。

鉄の博物館(JFEスチール株式会社)

アルキメテツのモノづくり図書館(新日本製鉄株式会社)

モノづくりの原点―科学の世界(新日本製鉄株式会社)

(2)さびができるしくみ

 実際に鉄がさびる様子を観察してみましょう。次に紹介する本には、身近にある「くぎ」を使って行う実験が紹介されています。寒天(かんてん)につけたくぎは、頭の部分と先からさび始めます。しかも、まん中の部分がなかなかさびません。それどころか、まん中の部分の寒天がオレンジ色になり、両端周辺が青黒くなっていくというワクワクするふしぎな発見が記されています。ぜひ、この実験を再現してみましょう。

〈参考〉『くぎ丸二世号のひみつ さびができるしくみを探る』佐藤早苗(大日本図書)

(3)ステンレス製品とその優れた点

 わが家のスプーンやフォークを調べてみると、「18-8 STAINLESS」と刻印されているものがありました。鉄にクロムを18%、ニッケルを8%含むステンレスであることを示しています。中には「18-10」「18-12」のSTAINLESSのスプーンやフォークもありました。それでは、みなさんの家にあるスプーンやフォークなどをチェックしてみましょう。

 また、クロムやニッケルはレアメタルと呼ばれる希少金属です。どのような国から輸入しているのか調べてみましょう。

ステンレスの森(ステンレス協会)

(4)使い捨てカイロで実験

 使い捨てのカイロをそっと開けてみると、黒い粉が入っているのがわかります。原材料としてはどのようなものが使われているのでしょう。袋に書かれていますから書き出してみましょう。商品によって多少異なりますが、鉄粉や食塩、そして水や活性炭などが共通するものと思われます。それぞれどのような働きがあるのか調べてみましょう。

 ガムテープやセロテープでしっかり封をして、こんどは使用後にもう一度中身の色を確認してみましょう。発熱反応は酸化によるものですから、さびたことになります。何色に変化したでしょう。

〈注意〉カイロの中身は粉末ですから、飛び散ることがないようにしましょう。目や口に入らないようにしましょう。

3.発展学習として

 今回は鉄のさびをテーマにした学習ですが、人体にとって鉄は少量ですが欠かせない金属です。鉄ばかりではありません。ミネラルは体内でどのようなはたらきをしているのでしょう。もし、不足するようなことになるとどのような病気になるのでしょう。

〈参考〉『金属なしでは生きられない』岩波科学ライブラリー120 桜井弘(岩波書店)

 酸化とは、字通り物質が酸素と結びつくことですが、今回話題になっているさびそのものの正体が酸化鉄であるとするのは早計のようです。ちょっとレベルが高いのですが、興味がある人に次の本を紹介しておきます。

〈参考〉『錆(さび)をめぐる話題』井上勝也(裳華房)

(藤沢市立大庭中学校・有馬 進一)

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