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「大学Gメン」始動 外部機関が認証評価

法科大学院トライアル評価で、学生の意見を聴く評価委員=東京都渋谷区の国学院大法科大学院で
法科大学院トライアル評価で、学生の意見を聴く評価委員=東京都渋谷区の国学院大法科大学院で

 「マル査」が、大学に入る。今年度からすべての大学・短大が第三者機関による認証評価を義務づけられた。経営や授業内容、入試の状況まで詳細に調べ、結果は公表される。大学の自己改革を促し、教育の質の向上につなげるのが狙いだ。国立大法人化や設置基準の緩和など大学改革が加速するなか、「事前規制から事後チェックへ」の試みをみた。

 黒板を背に並んだ15人のGメン。国学院大法科大学院の1年生50人と向かい合い「学生との対話の時間」が始まった。

 この大学の評価にあたる評価機関は「日弁連法務研究財団」。弁護士や他大学の法学教員らでつくる評価チームが学校を訪問し、大学の授業内容からカリキュラム、入試状況にまでメスを入れる。

 「今朝の公法の授業、説明抜きで議論に入ったけれど予習は十分できた?」。面接に先立ち見学した授業について、評価委員が問いかけた。学生の手が次々に挙がる。「やりきれていない」「全般的にかなりの詰め込みだ」

 「教員との対話」でも、どのように成績を評価しているのか、新司法試験への対応はどうするのか、ふさわしいテキストを使っているかなどに委員は切り込んだ。

 別室では、実際に学生が書いた答案用紙を1枚1枚チェック。「2行しか書かれていないものもありますね。設問が難しすぎるのでは?」

 午後6時半、10時間にわたった現地調査が終わった。もっと双方向の授業にすべきだ、学生とのコミュニケーションを充実させるべきだ、などの注文がついた。

 平林勝政・同大法科大学院長は「実際、評価される側はしんどい。だが、客観的な評価は改善のためには欠かせない。早速取り組みたい」。同大学院では12月の教授会で、カリキュラムの変更などを決定した。

   ■  ■

 同財団は今年8月、文科省から法科大学院の評価を担う機関として認証された。本格評価は初の卒業生が出る08年以降だがすでに試行的に評価を始めている。

 大学側は事前に自己点検した結果の評価報告書を提出。これをもとに、9分野47項目について評価を受ける。

 項目別に「合否判定」か「5段階評価」があり、重要な項目で一つでも「否」または最低の「D」があれば、「不適格」になる。評価委員らは、実地調査の前日からホテルに泊まり込む。本格調査になれば3泊4日の日程だ。

   ■  ■

 学校教育法の改正により、今年4月から国公私立すべての大学・短大と高等専門学校は7年ごと、法科大学院など専門職大学院は5年ごとに国の認証を受けた評価機関による外部評価を受けることになった。国は「不適格」になった大学に対し、改善を勧告することができ、改善がみられない場合などは、最終的に廃校も命令できる。

 大学側が多元的な評価を受けられるようにするため、複数の評価機関が独自に評価基準を定める。現在、同財団と「大学基準協会」が認証機関として活動を始めており、このほか「大学評価・学位授与機構」や「短期大学基準協会」「私立大学評価機構」が認証を申請中だ。

   ■  ■

 全国の約300校でつくる大学基準協会は96年から、加盟判定や相互評価などを計250回行ってきた。評価機関となった今年は、35校が評価を受けた。10月までに実地調査が終わり、今月末には評価結果が各校に通知される。大学側は評価に疑問点があれば異議申し立てができ、3月には結果が公表される。

 基本的には他校の大学教員が無償で評価にあたる。大学基準協会の場合、今年は延べ300人がかかわった。それだけの人数を確保し続けられるのか、教員同士の評価でなれ合いにならないのか、専門的な分野で教育の「質」をどう判断するのかなど、課題も指摘されている。

 評価の基準や評価機関のあり方、国際的動向などを研究し、学問的に「大学評価」を対象にしようと、今年3月には大学評価学会も設立された。

 2010年までには既存の全大学が一度は評価を終える。大学は正面から、社会に試されることになる。

    ◇

 《大学・学部に対する点検、評価項目の例》

・理念

・目的や教育目標

・教育研究組織

・教育研究の内容、方法と条件整備

・学生の受け入れ

・教育研究のための人的体制

・施設、設備など

・図書館及び図書などの資料、学術情報

・社会貢献

・学生生活への配慮

・管理運営

・財政

・事務組織

・自己点検、評価

(大学基準協会の場合) (12/13)








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