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教科書と重複、開始遅れ再試験… センター試験ミス続出

センター試験の出題ミスについて説明する浅野摂郎・大学入試センター副所長(右)=16日午後8時、東京都目黒区駒場の同センターで
センター試験の出題ミスについて説明する浅野摂郎・大学入試センター副所長(右)=16日午後8時、東京都目黒区駒場の同センターで

 一部の教科書に載っていた評論が国語で出題されたのに救済措置はない。監督者の不手際で試験時間が短くなる。16日に終わった大学入試センター試験でミスが続いた。公平・公正さが前提の試験だが、いずれも外部から指摘を受けて発覚したり、事前のチェックで見逃したりした不手際だった。

 16日の「国語1」の試験問題で、第一学習社(広島市)の教科書「高等学校 現代文2」に掲載されている評論文が出題された。インターネット上の掲示板で指摘されていたのを、大学入試センターが見つけた。教科書の利用と得点がどう影響するかを追跡調査する予定だが、2次試験までの残り少ない時間で対応策をとることは不可能だとして、得点調整はしない。

 センターの浅野摂郎副所長の説明によると、こうしたミスは共通1次時代を含めて一度もない。

 出題されたのは、大岡信さんの評論「抽象絵画への招待」の一部。試験問題として引用された部分は、教科書に全文掲載されていた。200満点中、50点の配点。同社の教科書は3位の占有率(8.3%)で、9万4000冊余が採択されていた。

 センター試験では、内規で教科書に掲載されたり過去5年間に大学入試に出題されたりした文章は出さない。作題委員がデータベースなどでチェックするが、この教科書には「ピカソを一点買う」との表題で掲載されていたため、見つけられなかったという。

 またこの評論は、89年の名古屋大経済学部の試験でも出題されていた。大手予備校代々木ゼミナールによると、現代文の専門家の間ではよく知られた文章で、国語科の講師は「我々が模試で出したら笑われてしまう。センター内のチェックが甘いのではないか」と話した。駿台予備校も「検定教科書の掲載文を『知らなかった』ではすまされない。受験生にとっては著しい不公平だ」と批判した。

 センター試験で問題ミスがあれば全員に加点するなどの措置を取るが、今回は国語1だけに加点すれば「国語1・国語2」の科目を選択した受験生との公平が保てないため、加点や再試験はしない方針だ。

 「国語1」の科目を選択した受験生の数は16日時点で確定していない。昨年は、「国語1・国語2」が約46万人で、「国語1」は約5万人だった。

 センターは、今後、今回もほぼ同数と推測される国語1の受験生について、この教科書を使っていたかどうかと、得点状況を追跡調査するという。

 浅野副所長は「この教科書を学習した人とそうでない人の間で不公平を招いたことは非常に残念だ。大変申し訳ない」と話した。

 大学入試センターによると、試験時間が短くなるミスがあったのは、東北工業大(仙台市)の17試験場のうちの132番教室で、44人が受験した。1コマ目の外国語で、試験終了後の15日正午前に、同大学とセンターに同じ受験生の保護者から「試験時間が1、2分短かった」と抗議があった。

 大学が2人の監督者から事情を聴いたところ、チャイムが聞こえず、自分の時計で試験を開始したが、終了はチャイムに合わせたと説明。当初は「数秒の遅れだ」と答えていた。しかし、16日朝の再聴取で、開始時間をはっきり確認していなかったことがわかった。

 このため、センターは「何分遅れたかは不明だが、試験時間が確保されなかった」として、再試験実施を決めた。受験していた44人に再試験を受けるかどうか確認することにしている。

 この教室では当日の試験終了直後、受験生の1人が「1、2分短かった」と指摘したが、監督者は「時間は確保した」と答えただけで、大学にも報告していなかった。

 試験時間のミスは、03年にも二松学舎大学柏沼南キャンパス(千葉県沼南町)の会場で起き、受験生25人のうち6人が再試験を希望した。また、昨年は岐阜経済大で数学の補足資料を配り忘れるミスがあり再試験を決めたが、希望者がなかった。

(01/16)


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