さまざまな折り紙飛行機と戸田拓夫さん。長さ1.2メートル、幅1メートルの巨大飛行機(左上)は30メートルくらい飛ぶ=広島県福山市の紙ヒコーキ博物館で
1枚の紙を折って作る「折り紙飛行機」。子供のころ、なかなかうまく飛ばせなかった思い出がある。
なぜか。東京大の鈴木真二教授(航空宇宙工学)によると、紙飛行機の重さはジャンボ機の1億分の1なのに飛ぶ速さは40分の1くらいにすぎず、「相対的に見れば、すごい速さで飛んでいる」からだ。でも、日本折り紙ヒコーキ協会会長の戸田拓夫さんは、「ちょっとしたコツでよく飛ぶようになりますよ」。
コツその1は一生懸命折らないこと。全体がよじれないように、指の腹で「そっと押さえながら」折る。折り込んだ先同士はぴったり重ねず、少しだけすき間を空ける。さらに「紙は普通のコピー用紙で十分」。つるつるの紙は抵抗が少なそうだが、重くて向かないことが多いという。
その2はバランス。前部の折り返しを増やして重心を機体の少し前に置く。正面から見て、翼がよじれていないか確認する。さらに両翼の後ろの縁を1〜2度ひねり上げるのがポイント。「飛行機の昇降舵(しょうこうだ)にあたるもので、姿勢を制御できます」(戸田さん)。
その3は投げ方。滞空時間を競うときは真上に投げる。グライダーと同じで高い位置から飛び始めた方がいいからだ。19・24秒の世界記録を持つ戸田さんは15メートルくらいまで投げ上げる。一方、飛行距離を競いたいときは水平より3〜5度高く投げる。下に落ちてしまうので、手首を使わないよう注意する。
戸田さんは「よく飛ばすには科学的な裏付けが必要なので、航空理論の本を読み出した中高生もいる。遊びながら科学に親しむきっかけになる」と話している。
●「宇宙から地球へ」計画中
よく飛ばすコツやイベント情報などは、日本折り紙ヒコーキ協会のホームページ(http://oriplane.com)参照。協会の紙ヒコーキ博物館(広島県福山市)では約500種類の紙飛行機の展示のほか、作り方も教えてくれる。開館は土曜のみで入場料100円(電話084・961・0665)。協会は東大と、紙飛行機を宇宙から地球へ飛ばす計画も進めていて、1月には東大で風洞実験を実施。「燃え尽きずに帰還できる可能性はかなり高いことがわかった」