「元素周期」を監修した満田さん。開いているページはカルシウムの「萌えキャラ」
水兵リーベ、僕の船……。高校時代、呪文のように唱えて20番目ぐらいまでは覚えたろうか。
元素はあらゆる物質の基本要素。と言われても、記号がずらりと並んだ周期表は何とも味気なく、親近感もわかなかった。その後、何かに役立った記憶もなく、もう、ほとんど忘れてしまった。
「元素を、特性にあわせて擬人化したら覚えやすいのではないか」。そんな発想から生まれたのが、解説書「元素周期 萌(も)えて覚える化学の基本」(PHP研究所)だ。118の元素を、性質や発見者、利用法から発想した美少女キャラに変身させた。
一番軽い水素はふわふわ浮かぶ妖精、表面加工の材料にもなるフッ素はフライパンを携えたメード、金は女王さま、といった具合だ。ヒ素など毒性や危険度の高いものは近寄り難いキャラにするなど手が込んでいる。武蔵工業大で化学を教える満田深雪さんがイメージを伝え、33人のイラストレーターが筆を執った。1元素あたりに割いた見開き2ページのうち、イラストは1ページ大という扱いだ。
昨秋の発売後すぐにネットで話題になり、3カ月で予想を上回る2万8千部が売れた。秋葉原の書店では平積みになった。
外観はいかにも「アキバ系」だが、原子量や電子の軌道図など専門書としての基本データも備え、それぞれの元素の発見をめぐる歴史やレアメタルの採掘権をめぐる国際情勢を盛り込むなど、読み物としても内容を充実させた。
科学リテラシーを高める活動にも取り組む満田さんは「手に取るきっかけは何でもいい。理科離れと言われるが、導入口の工夫次第で、関心を高めることはできる」と話している。(石川智也)
●元素アニメ、7月から
元素周期表は、ロシアの化学者メンデレーエフ(1834〜1907)が当時知られていた60余の元素を原子量の小さい順に並べた表がもとになっている。国内ではイラスト入りなど工夫したものは少なかったが、文部科学省が05年に無料配布した周期表は豊富なカラーイラストを使い、増刷する人気になった。「元素周期」(PHP研究所)の定価は1995円。
今年7月から、元素が消失し始めた未来の地球を救う少年少女を主役にしたSFアニメ「エレメントハンター」(NHK教育)も放映される予定だ。
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