メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

11月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

自分のリズムでオリジナルな高校生活を送ろう 解説編

ロゴ:学びリンク

記事提供:
通信制高校があるじゃん
09〜10年度版
学びリンク

イメージ

 学校数も増えてきたことで、読者のみなさんの周りにも通信制高校で学んでいる人がいるかもしれません。通信制高校は、広い地域から入学でき、中には、全国から入学できる学校もあります。単位制により、転編入生の受け入れにも柔軟に対応できます。学習の基本は、レポート作成やスクーリングです。
 また、通信制高校からの進路は、大学への進学が増加していることと、推薦入試が増えていることが、ここ数年の特徴です。専門学校への進学も2割前後と依然高くなっています。一方、通信制に限らず高校生の就職は厳しい環境に置かれていますが、最近は改善されつつあるようです。

インターネットの活用なども増えてきた通信制高校

図:通信制高校の生徒数の推移

 通信制高校は、全国に199校(2009年1月現在)あります。ここに約18万人の高校生が学んでいます。本校以外の場所に、協力校や学習センターという、ふだん通学して学ぶ場所を置いている学校もあります。

 学校数も増えてきたことで、通信制高校の内容も広がってきました。NHKテレビ・ラジオの高校講座の視聴に加え、2004年度からはインターネットなどのメディアを活用した映像授業なども正規の学習となり、インターネットによる双方向の授業や自分の好きな時に視聴できるオンデマンドでの授業などに活用されるようになっています。  通信制高校では、面接授業としてスクーリングがあります。学校によっていろいろなやり方があり、学習効果を高めたり、高校生活をより楽しいものにしたりするように工夫しているところがあります。スクーリングの内容を満たした上で、さらに大学進学や補習的な勉強もしたいという要望に応えるために、通学できる曜日を増やしたり、あるいは通学できる場所を各地に設けたりする学校もあります。

 通信制高校は、ほとんどの学校がホームページを開設しており、それぞれの学校の特長を調べることができます。本書では、全国の通信制高校を集めたポータルサイト『ステップアップスクール・サイト』(http://stepup-school.net)を開設していますからこちらも参考にしてください。

入学できるエリアについて

 公立高校の場合、受験しようとする学校がある都道府県に在住しているか在勤していなければなりません。一方私立の通信制高校の場合は、広域校と狭域校という分け方がされています。広域の通信制高校は本部に当たる母体校を中心に、その都道府県のみならず、近隣または全国的に協力校やスクーリング実施施設などを置いて学習活動を展開しています。狭域校は、本校所在地と隣接の都道府県の1つからの入学ができる学校です。

 また、1つの高校の中に、2つ以上の課程を置いているところもあります。全日と通信など2つ以上の課程を置いているところを併置校、通信制だけを置いているところを独立校と呼んで区分しています。ここ数年で増えているのは、私立の独立校です。独立校は、校舎を通信制の生徒だけで使えることになるので、通学日などを柔軟に決められるため、生徒の要望をより多く受け入れられます。併置校と独立校の内訳は、通信制高校全体では、併置校64%、独立校36%となっています。

学校の仕組み、10のチェックポイント

 通信制高校を選ぶ基準は、それぞれの人で異なりますが、学校の仕組みをチェックする上で、次のことは調べてみる必要があります。

(1)学期は、2期制か3期制か。また、入学の時期はいつか。
(2)入学に際しての選抜・選考はどうなっているか。
(3)スクーリングの開講曜日と各科目の出席時間の基準はどうなっているのか。
(4)集中スクーリングが実施される場合、その内容と開催時期はどうなっているか。
(5)通学日数(週3日コースなど)によるコースなどがある場合、その内容はどうなっているか。
(6)出願しようとする高校の経費はどのくらいか。公立、私立の別だけではなく、各高校により経費に違いがあります。
(7)各種メディアの活用とその成果はどのように評価されているか。例えば、学習支援のみならず、スクーリング出席時数の一部として認められているか。
(8)高等専修学校に籍を置く人は、専修学校の学習成果の一部を高校の単位として認める技能連携制度が取り入れられているか。
(9)大学入学資格検定(大検)・高卒認定試験の合格科目が高校卒業資格を得るのに必要な単位数に組み込まれているか。
(10)除籍の制度はあるか。あるとしたらどうなっているか。

自由な時間をどう使うかがカギ

 通信制高校は、単位制という学習の仕組みを取り入れています。単位制では単位の修得は累積加算方式なので、修得できた科目は再履修しないでよいことになります。従来から単位修得の認定が累積加算方式である通信制課程には、留年という言葉はありません。

 全日制課程、定時制課程でも単位制を取り入れている学校が見られるようになりましたが、一斉登校一斉下校により学校生活を送るところが主流なのに対して、通信制課程では、原則として自分が選んだ時間に登校すれば学習活動は進められることになっています。

 通信制課程は、「いつでも、だれでも、どこでも」学ぶことができるとよくいわれています。このことは、学びたい人が、自分の生活時間帯の中でいつでも自分の都合に合わせて、年齢にとらわれることなく、自分が学びやすい場所で学習できることを指しています。その反面、通信制の学習は、「自学自習」が基本であり、計画的であるばかりでなく、継続しようとする強い意志が欠かせない条件になります。一人ひとりが自分の学習活動の目的に合わせて、空いた時間をどのように使うか。そして入学してから自分をしっかり見つめ直し、発見することも大切なことではないでしょうか。

学習のしくみ

 通信制高校における各教科・科目の学習は、(1)レポートの提出、(2)スクーリングへの出席、(3)テストの受験の3つの方法によって進められることになっています。それぞれの回数や日数は各教科によって異なり、各学校によっても異なっています。

(1)レポート(添削指導)
 教科書、学習書、補助教材などによって自学自習し、各教科・科目ごとに定められたレポートの報告課題に解答し、決められた期限までに提出して指導を受けます。その際、疑問が生じたら登校したり電話したりして担当の先生からの指導を受けます。インターネットを活用して学習支援を進める動きも活発になっています。

(2)スクーリング(面接指導)
 登校して担当の先生から直接指導を受けることです。開講されている曜日や時間割に加え、出席時数の基準はそれぞれの学校により定められています。学校によっては、NHK高校講座の視聴結果やそのほかのメディアを活用した学習の成果をスクーリング時数の一部として認めています。ただし、インターネットが普及したからとはいえ、現時点では1日も登校せずに単位を修得することはできません。

(3)テスト(試験)
 テストは一般的に各学期末に定期テストとして実施されています。学習の成果を確認するものですから、レポートはテストの前の決められた期限までに提出することが大切です。

卒業するまでの概要

 学校によりいくつかの条件は異なるにしても、基本的には1.高校に通算3年間以上在籍すること、2.卒業に必要な教科・科目の単位数を修得していること、3.そのほか特別活動などへの参加、という3点があげられます。2005年からは、必要な単位数が74単位となっています。

「大学への進学」「推薦入試」増加

 通信制高校からの卒業後の進路をみると、目立って増えているのは大学・短大への進学者数です。2007年度の卒業者の17.1%を占めています。高校全体の50%強と比べればまだ低い数値ですが、わずか5年前は11.7%でしたから、飛躍的にアップしているといえるでしょう。

 2007年度の大学等進学者7,343人の内訳をみると、74.9%(5,503人)が4年制大学、19.4%が短大(1,425人)、4.9%が大学・短大の通信教育(349人)となっています。

 通信制高校から大学へ進学する人の最近の傾向としては、2つの点が顕著です。

 1つは、短大希望者の数が減って4年制大学への進学希望者が増えているということ。大学・短大の方も短大を廃止して4年制大学に移行する大学が増えています。

 もう1つは、推薦入試による進学を目指す人が増えているということです。生徒の側では「早く入学先を決めて安心したい」という気持ちがあります。また、受け入れ側の大学も、学生確保のためにできるだけ早く入学者を決めたいという意向が強く、両者のニーズが一致しているのです。

専門学校は相変わらずの人気

 短大志望者の減少傾向の一方で、専門学校への進学は高い比率が続いています。専門学校への進学者は専門課程(高校卒業者対象)17.8%と一般課程(入学資格を問わない)2.1%で、合わせて19.9%です。大学への進学者に比べても高くなっています。

 専門学校への進学は「技術・資格などが身に付く」という理由によるものですが、専門学校で2年制以上(総授業時数1,700時間以上)の学科を置いているところでは、4年制大学の3年次への編入学も可能となっています。

専門学校選びのポイント

 専門学校は、修業年限が1年以上と決められていますが、ほとんどが2年制ないしは3年制です。中には4年制の学科を置く学校もあります。卒業後さらに勉強したい人のために研究学科や専攻学科などを設置する学校も増えています。専門学校で学習できる内容は非常に幅広くなっています。

 専門学校選びのポイントは、(1)学科の内容や資格取得の状況、(2)就職状況、(3)学校見学の3つです。

(1)学科の内容や資格取得の状況
 同じ名前の学科でも、専門学校によって学習する内容が異なることがよくあります。自分が興味ある学習ができるのはどの学科なのか、よく確かめることが必要です。  また、資格取得を目標とする場合は、実際の合格者がどのくらいいるのか確かめてください。その際、その専門学校に通っている「大学生」や「一般社会人」の数を含まない、純粋な専門課程の学生の合格者を聞くのがよいでしょう。

(2)就職状況
 専門学校を選ぶ重要なポイントは、やはり就職でしょう。この学校を卒業したらどのような企業に就職できるのか、自分の希望する企業に就職できるのか、公務員になれるのかなど気になるところです。今はどこの専門学校でも就職先一覧の資料を用意していますから、請求すればもらえます。

 その際、主な就職先だけでなく、すべての卒業生の就職実績を見るようにすると、その学校のことがはっきりとわかります。

(3)学校見学
 学校案内のパンフレットでも、その専門学校の特長がある程度わかります。しかし、それぞれに校風があります。自分が興味を持った専門学校には、体験入学や学校説明会に参加して、肌で雰囲気を感じ取るのが大切なことです。

大学・短大選びのポイント

図:通信制高校の卒業生の進路

 一方、大学は大まかに言うと、文系の学部は私立大学に多く、理系の学部は国立大学に多く設置されています。教員養成系学部は国立大学が中心です。

 国公立大学は大学入試センター試験の受験が前提で、学習する科目が多くなりますから、早めに学部を決め、学習対策を進める必要があります。

 私立大学入試は、3教科または2教科を課すところが多くなっています。

 そのほかにも入試は多様化しています。まず、センター試験を利用する私立大学が増えています。AO(アドミッションオフィス)入試という推薦入試を実施する大学も増えています。これは何回か面接を行うことで丁寧に学生を選抜しようとする入試方法で、大学によっては7月ごろから面接が始まります。

 入試科目などが発表されるのは5月から7月ごろですが、早めの準備が大切です。

 推薦入試は10月から11月ごろに実施されるものが多く、合否は11月までに判明するものが大半のようです。

 大学に比べて修業年限が短い短大は女子学生が多く、実学中心になります。職種に直結する学科が多いので、就職実績などについて調べておく必要があります。

 近年は定員割れをしている短大も多く、四年制大学に変わるケースも多くあります。

 短大や専門学校から四年制大学への編入も増えてきました。私立大学であれば、四年制大学を併設するところもあるので、編入実績を確認することもすすめます。

高校からの就職環境

 最近は高校新卒採用についての就職率は改善され、数年前のように就職先が見つからないという状況は脱しているようです。しかし、好調な新卒採用に対し、新卒でない若者の雇用状況は依然として厳しいということです。

 現役生であれば、一般の求人枠より有利な点が多いとされている高校新卒者枠を使っての就職がすすめられます。学校によってはハローワーク等と連携して求人あっせんも行っているので、就職を考えている生徒は先生と相談しましょう。自分でハローワーク等に行って調べる際も、高校新卒求人枠の紹介をしてもらえるように伝えることが必要です。