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教科SHOW

小学校の国語 落語がよろしいようで

2007年09月06日

 「寿限無(じゅげむ)」や「まんじゅうこわい」など、落語を載せる教科書が増えている。前回この欄で取り上げたスピーチと同様に「話すこと」が重視され、落語の「語り」が注目されたためだ。教育出版の小学4年国語教科書は00年から、三遊亭円窓さんが演じる古典「ぞろぞろ」を掲載している。

 「ぞろぞろ」は――茶店の夫婦においなりさんの御利益があり、わらじが一つ売れるたび、新しいわらじが天井裏からぞろぞろっと出るようになる。「ぞろぞろわらじ」が評判となり、店の前は客の行列。これを聞いた隣の床屋も商売繁盛を祈りに行く。帰ると店に客。大喜びでひげをそったが、そったあとから新しいひげがぞろぞろ――。

 落語は、噺家(はなしか)が目線を変えることによって、登場人物が変化したことを客席に知らせる。茶店の夫婦、客、床屋……。聞き手は語りのさまざまな場面を想像する力がつく。同社国語科の梶野明子編集長は「落語を演じ、友だちを笑わす快感や、友だちの落語を聞き、いろいろな語り口に浸ってほしい」と話す。

 円窓さんは、教室に出かけては落語を演じ、「寿限無」や「ぞろぞろ」に使われる言葉や時代背景を話す。

 「落語の笑いはバカにして起こるのではなく、同じ目線で生じる。その気持ちよさを知ってほしい」。そんな笑いが、いつか世の中にぞろぞろと充満する日を願っている。

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