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尋常小学校の国語 アリと…キリギリス?セミ?

2007年11月29日

 イソップ寓話(ぐうわ)「アリとキリギリス」は、キリギリスの代わりにセミが登場する話もある。

 1900(明治33)年発行の二つの尋常小学校教科書「国語読本」を見ると、セミの話は作家坪内逍遥が本名の坪内雄蔵で編集した冨山房の読本に、キリギリスは金港堂の読本に取り上げられている。

 イソップ寓話は、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの「歴史」に登場するイソップという人物が作ったとされ、後世に付け加えられた話もあるとみられている。

 正しいのはセミ? キリギリス? 元々はセミの方で、夏には歌っていたセミが冬になってアリに食物を請うが、アリは小麦をしまいながら「冬には踊るがいい」と語る話。日本では安土桃山時代に翻訳が出ている。

 なぜキリギリスに変わったのか。フランス文学者鹿島茂さんは「セーラー服とエッフェル塔」(文春文庫)で、セミはラテン語で「鳴く虫」を指す言葉だが、セミがいないフランスの北部では別の「鳴く虫」を指すことになったと解説する。

 筑波大学の甲斐雄一郎准教授(国語教育)は「長い時を経て地域や時代に合った物語に変わった。まじめに働かないといけないという訓話が語り口の面白さにひかれ、教科書に取り入れられたのではないか」とみる。ただ、教訓色が強いためか、教科書には取り上げられなくなっている。

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