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高等小学校の国語 シンデレラは「おしん」だった

2007年12月13日

 グリム兄弟やペローの童話にある「シンデレラ」。1900(明治33)年の教科書「国語読本高等小学校用」に、「おしん」の名で掲載されている。

 日本風になったのは主人公の名前だけではない。ガラスの靴は「扇」に。この扇の絵が「白波に菊の模様」と言い当て、おしんが真の持ち主だと分かるストーリー。魔法使いは「弁天様」、王子は「若殿」、魔法が切れる時刻は夜中の12時ではなく「夕方6時」など。

 この教科書は、「アリとセミ」(11月24日本欄)の教科書と同じ冨山房の読本で、作家坪内逍遥が本名の坪内雄蔵で編集した。

 筑波大学の甲斐雄一郎准教授(国語教育)は「坪内逍遥は、当時の子どもたちの心にしっくりくるようアレンジしたのでは」と推測する。

 甲斐さんによると、国語読本には日本や世界の地理、コロンブスなど世界史に関する話など、様々な教科の要素が盛り込まれていた。説話を使って、正しい行いを求める「修身」の内容も教えていたという。このおしんも、若殿と結婚したのは「日ごろの心懸けのよい報い」と書かれている。「国語読本は言葉や文化を浸透させる役割を担っていました」と甲斐さんはいう。

 ちなみに、脚本家橋田寿賀子さんによると、テレビドラマの「おしん」は、国語読本と関係のないオリジナルだそうだ。

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