現在位置:asahi.com>教育>小中学校>中学受験の人生相談−モリガミにきけ> 記事 中間層の二極化と、カトリック校人気2007年06月04日 先日、母子家庭の母親から娘をカトリック校にやりたい、というご相談を受けた。自身は教徒ではないが、カトリック校なら娘にかける思いを受け止めてくれそうだから、という理由だった。他日、別の方からは某名門カトリック校にサラリーマン家庭でも入れて頂けるものか、というご質問だ。要は実力プラスアルファは必要なのか、という趣旨だったが、言外に資産家の家庭であることが求められているのではないか、という想定があっての疑問だった。中学受験が、産業化された塾によって大衆化した結果、私立学校の裁量で行う入試も学力一本になった。その結果、前者のカトリック校への思いのみを生かして入学を許可することが出来なくなり、一方で後者の心配も杞憂と化した。ましてカトリック校といえども運営側にもクリスチャンが激減している事情があるから、需給とともに薄味になっているのは否めない。 1995年以降、わが国の中間層にいわゆる二極化が起こり、年収800万以上のアッパーミドルにとどまり、かつそれ以上に富裕化する層と、ロウワーミドルで年収が500万〜600万にダウンする層が顕在化した。この間の母子家庭の窮乏化はさらに大きかったとされる(東大出版会刊『日本の貧困研究』)。 同書に紹介されている阿部彩氏の研究によれば、年収400万〜500万を境に急激に生活充実度や生活満足度が分岐するそうだ。いわば中流と下流の境である。確かにその辺りが住宅費が余りかからない、という前提で子ども一人をナントカ私立中に通わせられるギリギリの年収ラインであろうことは偽らざる実感である。 ともあれそれなりの生活をしている親も、ぎりぎり踏みとどまっている親も、こうしてたまたまカトリックの学校に学ばせようと願っている。いわば富める者と貧しき者とに引き裂かれつつある時に、その門を共に叩いているという現実に、カトリック校は今向き合っていることになる。勿論、これはカトリック校に限らない。目の前のニーズに応じて教育をしている限り、その学校の門を叩く親は尽きないだろう。ただ、生活格差の現状を踏まえるならば、受験勉強が高価でスパルタに傾かないよう入試は簡にして要を得たものでありたい。上位とされる学校がまずますその方向にあるのはさすがだ。ただし、首都圏では受験生の8割が4倍台の入試状況で親も子も気憂になりやすい。2倍台か手の届く合格校をまず探そうと言いたい。 プロフィール
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