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中学受験の人生相談−モリガミにきけ

教員の質の向上、資質への信頼がカギ

2007年12月03日

 公立中校一貫校が増えてきて筆者が最も感じる変化は、いうところの玉砕タイプの増大だ。玉砕の先の受け皿としては、学区撤廃で大学実績が伸長した公立トップ校が考えられている。

 玉砕とは隠当を欠く表現だが、玉砕覚悟の受験という程の意味で、生還する(合格する)可能性もなく突撃(受験)をすることを揶揄(やゆ)している。

 例えばそれは2月1日の有名難関校を受け、3日に公立中校一貫校を受ける、といった併願受験になってあらわれる。有名難関校が第一志望というより唯一無二の志望校で他の私学には目をくれず、あとは野となれというわけでもないが、かすかな望みを公立中高一貫校にかけるのだ。

 有名難関校は平均倍率が4倍程にもなるからリスクは高い。しかし、それをいうなら公立中校一貫校は7倍程にもなるから、さらにハイリスクの上、選抜テスト仕様でない適性テストのため、いわゆる偏差値による見通しはきかない。

それでもリスク承知でこうした受験をするのは、一つには費用の点もないわけでもないが、自らに恃むところがあることだろう。しかし何より高校受験をする公立ルートに対する信頼感が醸成され始めていることが案外大きい。

 かといって多勢は私立のいわゆる安全校をおさえて、合格校を確保する。公立ルートが復調しつつあるからといって直ちに玉砕型の受験が増える傾勢にない。

 それで思い出すのは、かつて開成や筑駒という今や(というか、今でもというべきか)超難関校でも一時的には受験生に今日ほどの魅力を与えていない時期があって、しかしその後に今日の人気校になるにあたっては今で言うファカルティ・ティベロプメント(教員の資質向上)のような取り組みがあったように伺っている。

 今日でも国立大附属は概して給与は高くないが、それでも優秀な教員が転職してくる、という事情があるのは、実は優秀な生徒とのコラボレーションを期待してのことで、双方の期待がよくマッチしているのだ。

 某政党党首とラジオ番組でやりとりした際に、学校の品質云々といった途端、生徒をモノに例えるとはとお叱りをうけた。表現を改めます。言わんとしたことは教員の資質への信頼。国・私立中学の教員の資質向上、資質への信頼が復調しつつある公立ルートに受験生が一挙には流れない最大の理由があるのだろう。

プロフィール

森上 展安(もりがみ・のぶやす)
東京都内で森上教育研究所を主宰する。中学受験や中高一貫教育、学習塾の問題に詳しい。著書に『中学受験図鑑』『入りやすくてお得な学校』(いずれもダイヤモンド社刊)など。

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