現在位置:asahi.com>教育>小中学校>中学受験の人生相談−モリガミにきけ> 記事 教育費捻出のため、貯蓄を取り崩す家庭が増加2008年05月07日 地方に住む友人がご息女を東京の私大に、ご子息を京都の国立大に行かせている。生活費の仕送りが東京が18万円、京都が15万円だそうだ。毎月のことだからこの生活費だけで既に年400万円近い出費になる。4年間で一人あたり800万である。 ものの本によれば、大学生のいる家庭は消費傾向が99.4%つまり可処分所得のほとんどを支出しているそうだ。その最大の支出は教育費で、この家計の貯蓄率はマイナスであり、「教育費を消費支出の多くを費やしても足りず、貯蓄を取り崩している様子が伺える」(『日本の貧困』室住眞麻子書 法律文化社刊)というのがわが国の現状だから、この友人の家計は決して特殊ではないだろう。 この点、都市生活者で自宅通学が可能なら、これだけの出費は免れる。しかし、そこはよくしたもので、中学受験塾の費用、私立中学の授業料、大学受験塾の費用などの私的なかかりをざっと見積もっても同じく一人800万くらいにはなりそうだ。 その地方の友人のお子様たちは国立小、国立中、公立高に行ったのでこうした費用はかかっていないが、高校受験塾にはお世話になったから、その分は都市生活者における私立中在学中に行く塾費用と同じくらいだろう。 こうしてみると一人当たり800万程度の費用を都鄙(とひ)いずれも大学を出すまでには私的な必要経費としてかかってくるということである。 ただこれまでと事情が異なるのは90年代の経済のグローバル化によってわが国独特の「会社福祉」(社会福祉ではない!前掲書にメリアン著『福祉国家』の中の言葉として紹介されている)がなくなり、予定調和的に大学生の子どもを持つ頃には、年功序列でそれなりの高賃金が約束されてはいない(…)、という点である。だから以前のような総中流意識をもって子育ての家計を想定することは難しい。 先日きいたある東大の合格者の母親の話では、大学受験塾の費用はその母親が介護のパートに出てこれを投じたそうだ。こうした母親の投資意欲をのぞいては、もはや高学歴は難しいのかもしれないが(事実、先きの本でも母親のパート収入と家庭の教育費がほぼ同額だという興味深い指摘がある)、むしろ投資意欲をもつ母親の生き易い家庭のあり方、社会のあり方を広げていくところに可能性が見えてくるのではなかろうか。 プロフィール
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