
横須賀学院中学高等学校では2007年度、英数の2教科についてアシスタントティーチャー(AT)制度を導入し、効果をあげ始めています。生徒と年齢の近い大学生がきめ細やかにアドバイスすることで、学習への取り組みが少しずつ変わっている様子を、国語科教員で主事の鎗田謙一先生にうかがいました。
◆演習時、声をかけてサポート。3ヵ月の試行で大きな効果を実感
同校では英語と数学で習熟度別授業を行っており、1クラス10数名から20数名の編成になっています。
「少人数とはいえ、本当にきめ細やかなサポートは教員1人ではやはり難しい。そこで、AT制度を導入することにしたのです」と鎗田先生。
4月からの実施を前に、まず、1月からの3ヵ月間、中2の英語の授業で試験的に実施しました。
「試行後のアンケートで、声をかけてもらった生徒の9割が“集中力が増した”、“解き方がよくわかった”、“問題が進んだ”と回答しました。実際、定期テストの平均点がいきなり10点アップしました。また、宿題や家庭学習への取り組みも変わったようで、保護者の方々からも高い評価をいただき、本格導入を決めたのです」と経緯を話して下さいました。
1コマの習熟度別授業にATは2人。最も進んでいるクラス以外の2〜3クラスを掛け持ちし、講義中は生徒の表情をチェック。演習になったら、行き詰まっている生徒に声をかけてサポートします。教科担任を含めると、最大3人が個別に教えて回ることになり、まさに「面倒見のよい」授業ということになります。
◆教員志望のATには実践的体験。教員にとってもよい刺激に
ATは、大学生および大学院生。現在10数名が登録しており、ほとんどが教員志望です。
「ほぼボランティアに近い形にもかかわらず、勉強になるからと来てくれていて、意欲的な人ばかり。“援助的ふるまい”で生徒に接してもらっています。親しみやすいせいか、学習にまつわる悩みを相談する生徒もおり、精神面でも効果がありそう」と、期待を込める鎗田先生。
教科担任にとっても、「2人いると大変助かります。進度の速い生徒のペースを維持する役割も果たしているので、すべての生徒の役に立っていますね。また、我々教員にとってよい刺激になる面もあります」(英語科・蛭田雅晴先生)、「夏の補習ではATが大活躍。演習の時間がたっぷり取れるので、よりきめ細やかな個別対応をしてくれていました」(数学科・石井宏幸先生)と、頼もしい存在になっているようです。
また、ATの側からは、「同じ目線で話しかけています。心が通じることが喜びです」(日下規子さん)、「教える難しさを実感。“ありがとう”のひと言がうれしいですね」(丸山太一さん)という声があがっています。
◆6カ年一貫の効果が顕著に。連携強い青山学院の合格者も急増
同校は1999年から6カ年一貫カリキュラムを導入しており、すでに3期生までが卒業しています。前述の習熟度別授業をはじめ、BLT(指名制放課後補習)、高校選抜クラス連携など、進学にシフトしたカリキュラムを次々に取り入れており、MARCH東京理科大クラスなどの大学進学実績が大きく伸びています。とくに、青山学院第二高等部を継いだことが横須賀学院のスタートであるということから、青山学院大学との連携は強く、近年、同大学への合格者も急増中。これからアシスタントティーチャー制度の充実によってさらなる飛躍が期待できそうです。