大野碧校長先生
08年4月、大野碧先生が女子聖学院の新校長に就任されました。100年を越える伝統を持つ女子聖学院のリーダーとして、大野先生のお考え、これからのビジョンなどをうかがいました。
◆のびやかさが女子聖らしさ
校長としてこれからの女子聖学院を導いていくにあたって、大野先生にとって大きかった経験は二つあります。まず一つは、先生ご自身が女子聖の卒業生であること。在学中、正に「典型的な女子聖生」であったと語られる大野先生は、生徒会長を務め、クラブ活動などでも活躍されていたそう。先生方のおおらかな雰囲気に包まれ、のびのびと好きなことをして過ごすことができたとふり返られます。そんな中高時代があるからこそ、時代の変化こそあれ、根っこの部分で今も昔も変わらない女子聖学院の伝統を、身をもって生徒たちに伝えてゆくことができます。
◆変化をおそれない決断力
2つ目は、中高勤務を経たあとの、4年間の小学校での勤務経験。聖学院小学校では研究授業が盛んで、授業見学およびその後の研究会で先生方が活発に意見交換・議論を行っています。その率直な意見のやり取りに、最初は非常に驚かれたといいます。先生が全ての教科を担当する小学校ならではの取り組みとも言えますが、それでも中高の教員がその活動から学ぶべきことは大きいと大野先生は話されます。
この経験を活かしてさっそく5月から授業参観の形態が変わり、従来中学のみを開放していたのが、高校まで全ての授業を参観できるようになりました。保護者に授業をオープンにするとともに、先生方のためにも他の授業を見学できる場を増やすことによって、授業のクオリティをあげるための議論につなげたいという考えです。こうした大野先生の改革を間近で支える校長補佐の城築先生は、「とにかく決断が早い」と感じておられるそうです。こうした小さなチャレンジの積み重ねは、これから女子聖が目指す「生徒たちの秘められた可能性をもっともっと伸ばしていける学校づくり」につながっていきます。
◆サーバント・リーダーシップという光
こうしたチャレンジに先生方全員で取り組めるのは、学院に満ちている「サーバント・リーダーシップ」という考え方があるから。サーバント・リーダーシップとは、キリストが弟子の足を洗ったという話が聖書に伝えられているように、他者に仕える心を持ち、奉仕することで他者の成長に関わっていくリーダーのありかたです。「仕えることは『甘やかす』とは全く違います。生徒の悩みに寄り添いながら、同時にリーダーシップを発揮していかなくてはなりません。」と話されるとおり、今ここで生徒たちのために何ができるだろうか?と考え、行動する先生方一人ひとりの存在が、女子聖全体の雰囲気をつくっています。
そうした先生方の姿勢のベースを培っているのは聖書。女子聖学院は、ミッション系の学校の中でもめずらしく、教職員の8割が信仰を持っており、毎朝行われる「職員礼拝」は有志参加にも関わらず、全員が出席されるそうです。讃美歌をうたい、聖書を読むという5分ほどのささやかな集いですが、そこでの祈りが、スクールモットーである「神を仰ぎ 人に仕う」という精神の基盤となっているのです。
全ては生徒たちに輝きと喜びをもたらすため。愛情に満ちたサーバント・リーダーシップという光に導かれて、女子聖の生徒たちはのびやかに明るく成長していきます。