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プロジェクト・アドベンチャーを活用した、人間を磨く教育(トキワ松学園中学校)

2008年6月13日

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写真新体育館外観写真PA施設写真PAに取り組む生徒達

 1997年にプロジェクト・アドベンチャー(以下PA)を学校教育として日本で初めて取り入れたトキワ松学園。十年間にわたる取り組みの中で、生徒達がいかに成長を果たし、それが学園内にどのような影響を与えているのかを紹介します。

 ◆日本の教育機関で初めてのPAの導入

 PAとは、アクティビティを体験することにより、生徒達の心の成長を図る教育プログラムです。

 およそ400種類のアクティビティを通じ、生徒達はコミュニケーション能力、積極性、協調性などに代表される人間としての大切な力を向上させていきます。プログラムは、生徒達やクラスの成長の度合いに対応しながら段階的に進められ、ローエレメント、ハイエレメントと呼ばれる難度が高く、達成感の大きいプログラムへと結実していきます。トキワ松学園ではこれらPAを中学一年生から高校三年生までの六年間を通じて、主に体育の授業や部活動の中に取り入れています。

 実践の一例として「ゲットアップ」と呼ばれるものを紹介します。二人一組となり背中合わせに座り、腕を組み立ち上がる。次は前向きに足の先をつけて両手を握り合い、掛け声とともにお互いが引き合って立ち上がる。うまくいけば今度は四人一組で、さらに八人一組で、最終的にはクラス全員で……と、レベルが上がっていきます。

 これらのゲームの中には成功が困難なものも含まれていますが、そこにはゲームそのものを成功させること以上に大切なことがあるようです。

 ◆心の成長を求めるPAの役割

 「PAにはプログラムを実践する上で、生徒が守らなければならない、いくつかの大切な約束事があります」と、保健体育科の中山正秀先生は話します。「一生懸命にやること、楽しむことはもちろんですが、自分も含めた全員の心と身体の安全を十分に考えること、参加する者すべてが公平・公正に参加できることを考えながら進めるという絶対的な約束事の上にPAは成り立っています」

 先生が話されるとおり、PAの各プログラムにおいては、自分と他者について思慮深くなることが要求されます。実際の体験中はもとより、前段階での「参加の仕方の模索」ということが重要な要素となり、また、体験後の振り返りにも重きが置かれます。

 自主性をもって取り組むことや、その意思表示の方法について考えることを通じて、表現の方法や相手を思いやる気持ちを学んでいきます。

 ◆教科の枠を超え広く学園内が活性化

 同校の阿部光雄先生によると、PAの実践は、保健体育という教科の枠を超え、その理念や目的が、学園全体に広く共有されているということです。

「PAを導入してからの十年間で、生徒が人間的に成長をしているということを、学園内で実感するようになりました。顕著な例では、様々な場面での生徒同士の話し合いが充実したものになり、委員会なども活性化していることです。生徒が『自ら考えながら動く』ということを積極的に行うようになったのは、PAによって自己表現能力が向上し、また成功体験を通じて大きな自信をつけていることの表れだと感じます」

 本年竣工された新体育館には本格的なPA施設が作られました。そこにも、生徒の人間形成にPAが大きく寄与しているという実感に基づく、PAの先駆的教育機関である学園の期待を感じます。

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