


北鎌倉女子学園の魅力と言えば、まず挙げられるのはその緑豊かな自然環境。校庭には数々の植物が咲きほこり、窓からは鎌倉の山々が一望できます。生徒たちにとって癒しであり、また学びの材料の宝庫でもある、北鎌倉女子の自然環境をご紹介します。
◆自然に癒される
取材に訪れた6月は、大ぶりのあじさいと、都会ではめったに見られなくなったカタツムリが出迎えてくれました。構内には、200種を越える様々な植物があり、季節ごとに美しい色や香りが生徒を包みます。そのうち半数ほどである約90種類には学名や特徴などが書かれたプレートが設置されています。これは、在校生がより自然に親しんでくれればと、卒業生が企画・寄贈したものだそう。学園と自然を愛する卒業生たちの心が伝わってきます。
また階段のおどりばには、四季の花が飾られています。委員会が中心となり、学校の校庭に咲いている花などを活けているのだそう。ふと目に入る花の明るさが、さりげなく生徒たちを包んでいます。教室の窓や屋上から見渡せる雄大な自然、そして思いやりとおもてなしの心を感じることができる廊下の隅の小さな花々の美しいたたずまい。自然を愛する心は、先輩から後輩へ、仲間から仲間へと伝えられ、受け継がれています。
◆自然から学ぶ
中学1年の3月に実施される伝統行事「山歩き」では、鎌倉地域で「谷戸(やと)」と呼ばれている谷合いを散策します。グラウンドの脇を少し入ると、そこはもう谷戸へ向かう山道。50年ほどのあいだ人間が手を加えていない、あるがままの自然の姿を保つ谷戸からは、自然の本質的なありかたをうかがい知ることができます。
この山歩きを行う理由について、理科主任の沼田先生は「ものごとの本質を知るという理科教育のベースは、人間教育の根幹につながると考えています。手付かずの自然が残る谷戸では、自然界の厳しいおきてや、そんな環境の中でもたくましく生きている生物たちの生命力などに触れることができます。その体験は、生徒たちが『自分自身のあるべき姿』や『本当に大切にしなくてはならないもの』を考えるよいきっかけになると考えています。自分自身の生き方や人と人とのつながりに共通する大切なことを、自然はたくさん教えてくれるのです。」と話されます。
大いなる自然の営みから謙虚に学んでいく、そんな経験を中学1年生という早い段階で行うことで、その後6年間をこの豊かな環境の中で過ごす生徒たちの中に、自然に対する畏敬の念とそこに含まれる本質的なメッセージを見抜く視線が養われていくのです。